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経済危機に打って出る、イスラエルのダイヤモンド産業

 【ラマトガン(イスラエル)1日PRN=共同JBN】イスラエル経済の柱であるイスラエル・ダイヤモンド産業は世界的な経済崩壊に対処する独自の方法を始めた。普通ならマーケティング活動を凍結し、広告費を引きあげるところだが、イスラエル・ダイヤモンド産業界は大きな費用をかけて顧客向けの活動を開始し、従来のものに加え、新たな販促ツールも試みている。

 イスラエル・ダイヤモンド協会(IDI)のエリ・アヴィダール代表取締役は「我々は経済危機を問題とは見なさず、チャンスであると見ている」と述べた。「このような経済情勢下で成功するための鍵はマーケティング、経営、そして開発の面で、前向きでしかも時によっては型破りな戦略をとることだ」と同氏は述べ、それは「誰も考えなかったことをすることだ」と言う。

 アヴィダール代表取締役は彼のチームを率いて“トゥギャザー・ワークス(共同作業)”と銘打った10ステージからならB2B(企業向け)の戦略マーケティング計画を創立し、これを2009年一杯実行する予定だ。この計画はイスラエルのダイヤモンド業者ならびに世界すべての国のイスラエルの取引相手を援助するためのものだ。アヴィダール代表取締役は「IDIはダイヤモンド企業が困難な時代を生き延びるだけでなく、さらに繁栄する手助けをするためのツールを提供する。我々の伝えたいメッセージははっきりしている。それは、イスラエルのダイヤモンド産業は世界の取引相手に手を差し伸べている、と言うことだ。一緒に働くことによって、我々すべてが利益を得る」と述べた。

 現在までに、IDIは“トゥギャザー・ワークス”を4ステージにわたって実行してきたが、最新のものは2009年5月31日、米国ラスベガスで開催された米国市場最大の宝飾展示会、JCK国際宝飾展示会(JCK SHOW)の記者会見を皮切りに開始された。

 最新ステージではIDIはソーシャルネットワーキングやウエッブ2.0を活用してイスラエル・ダイヤモンドの販売促進に役立てようとしている。IDIは記者会見の席上、ユーチューブ向けに作られた38本のビデオ作品を披露した。さらに、IDIはツィッター(Twitter)やフェースブック(Facebook)といったソーシャルネットワーキングを積極的に活用するとともに、イスラエルダイヤモンド業界としてのブログも立ちあげた。それに加えてダイヤモンド業界はすでに中心のポータルサイトも運営しており、これは英語、中国語、ロシア語、ヘブライ語でも見られる。IDIの計画によれば、オンライン上にB2Bのコミュニティーを作り、そこで業界同士で意見の交換をしたり、またはイスラエル・テルアビブ近郊のラマトガン(ダイヤモンド取引所や研磨業者の中心地)と直接連絡を取ることもできる。

 “トゥギャザー・ワークス”の最初のステージでは活字やオンライン媒体を使った宣伝キャンペーンが行われており、代表的な業界誌やサイトで露出された。さらに、IDIは米国では年中無休のフリーダイヤル1‐888‐42‐WORKSを開設し、既存の顧客や新規客のダイヤモンドのどのような要求にも応えられるようにした。見込み客からの連絡はリアルタイムでIDIのポータルサイトにアップロードされ、そこからすべてのイスラエルのダイヤモンド業者の元に新たな註文情報としてテキストメッセージの形で送られる。IDIはさらに「コール・アジア(CALL ASIA)」の名前でユニークなコールセンターを開設した。センターが持つ巨大なデータベースを使って、毎週アジアのB2Bダイヤモンド・バイヤーに直接連絡を取り、具体的なダイヤモンドの註文があるか問い合わせている。このサービスでも、得られた情報は直ちにIDIのポータルサイトにアップロードされ、イスラエルのダイヤモンド業者はテキストメッセージで直ちに連絡を受け取ることになる。

 米国ダイヤモンド業界のパートナーへのサービスの一環として、IDIは新たな季刊誌『リフレクションズ-ダイヤモンド、ファッション、トレンド、クリアリー(Reflections- Diamonds. Fashion. Trends. Clearly.)』を創刊した。『リフレクションズ』のテーマは最新のスタイル、トレンド、さらにセレブ御用達の宝石だ。この雑誌はダイヤモンドの売上げの増進を目的として、米国の1万店以上の小売店に置かれ、顧客に無料で配布される。『リフレクションズ』はIDIのポータルサイトからも見ることができる。URLはhttp://www.israelidiamond.co.il/Reflections.html

 アヴィダール代表取締役は「“トゥギャザー・ワークス”はダイヤモンドの世界に新しい新鮮なマーケティングのアイデアをもたらすものだ。ダイヤモンドは古き良き伝統を継承しており、世界のダイヤモンド業界も何世紀もの間、あまり変わらずに運営されてきた。しかし、我々は現在の経済状況によって引き起こされた難問によって、革新的で刺激的なマーケティングチャンネルを開拓することを余儀なくさせられている。我々はさらなるサプライズを準備している」と述べた。

 IDIのモティ・ガンツ会長は“トゥギャザー・ワークス”は最初のステージからイスラエル、世界とも大変な熱狂ぶりで迎えられたと述べた。「この経済状況に対してIDIが取った策はイスラエルのダイヤモンド業者と世界の顧客に対して新たに重要なサービスを始めることだった。これによってイスラエルのダイヤモンド業界ならびに世界の取引相手はともに利益を享受している。我々が次ぎにどのような手段を講じるか、すべての人が興味をもって見ている」と述べた。

 IDIの“トゥギャザー・ワークス”マーケティング・プログラムに関してさらに詳しい情報はウェブサイト(http://www.israelidiamond.co.il/English/index.aspx)を参照。


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