化学産業のドイツ誘致、ドイツ化学工業協会が強調
【フランクフルト１４日ＰＲＮ＝共同ＪＢＮ】ドイツの化学パーク（工業団地）の雇用者数は２００６年から２００８年にかけて、おおむね１万人から２４万人に増加した。同用地で営業する企業数も同期間中に８４０から９２０に増加した。これらの統計は、ドイツ化学工業協会(VCI)のジャーマン・セクター・グループ・オブ・ケミカル・パークス・アンド・サイツのクラウスディーター・ユツァク会長が１４日明らかにした。ユツァク会長は「化学パークについてのドイツの構想は成功しており、将来性もある」と語った。ドイツ貿易・投資振興機関(GTAI)のミヒャエル・プァイファー総裁は、化学パークによって提供されたビジネスモデルの成功に外国企業も関心を示していることを確認した。
▽付加価値連鎖の構築
化学パークへの投資は増加してきた。２００８年には、総投資額は初めて３５億ユーロを超えた。２００８年までに、企業は施設の拡大・建設に平均で約３０億ユーロを投資した。８０パーセント以上の産業投資は化学メーカーの支出である。これらの投資は新規および既存企業の両方を含んでいる。化学パークは、新規ならびに既存企業にとって最適の環境を作り出している。
▽ネットワーク構造による効率性
ドイツを化学生産の地点として関心を示している投資家に対して、ドイツは、安定したエネルギー供給、総合体としての生産の潜在能力、原材料および中間財に対する経費負担などの観点から、国際的に競合する他の国家を優る多数の立地場所を提供している。
▽研究ネットワーク
大学と独立研究機関との優れたネットワークは、ドイツを化学産業の立地場所として一層優位にしている。ユツァク会長によると、産業は途切れない研究成果に依存しているため、すべての化学パークは研究ネットワークにつながっている。化学産業は、世界経済危機から力強く脱却するため研究・開発への高額な投資を継続することを望んでいる。これに関連して、ユツァク会長は、企業の研究開発への取り組みに対する連邦教育研究大臣の税控除導入措置を歓迎している。同会長は「中小企業も大企業もこの支援で恩恵を受けることが重要だ。なぜなら、とりわけ化学産業ではイノベーションが主として（企業間の）連携に基づいているからだ」と語った。
ＧＴＡＩのミヒャエル・プァイファー総裁は、ドイツが外国投資家にとっても魅力ある投資立地であるとみなされていることを確認した。ドイツ貿易・投資振興機関はドイツ連邦共和国の新たな外国貿易および国内投資促進機関である。同機関の任務の一つは、外国投資家をドイツに誘致することだ。プァイファー総裁によると、ドイツは投資立地としての競争力に関して高得点を得ている。このことは化学産業およびその関連産業だけでなく、他の産業にも当てはまることである。米商工会議所(AmCham)が最近公表した調査で、米企業はドイツを欧州における最も魅力あるビジネス・ロケーションとして位置付けている。その理由としてドイツの製品・製造の高品質を指摘している。こうした要因は、特に景気低迷の際には企業、顧客の両者が高く評価する。プァイファー総裁はさらに、最新の産業統計についても語った。これらの統計によると、ドイツの化学産業は、収益、輸出、投資、研究開発費の点で欧州の一番である。同総裁は「ドイツの化学および化学製造産業は世界の有力企業の一つだ。ドイツは輸出で明確なリーダーである。ドイツで製造を営む化学企業は国際市場の競争に優位に立つことができる」と語った。
化学産業およびそれに関連する製造業に加え、太陽光発電、バイオポリマー、バイオ燃料をはじめとする再生可能エネルギー産業がしだいに、化学パークへの参加を求め始めた。この需要は、R&Dに特化した投資プロジェクトに顕著である。
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- ［国際情報］化学産業のドイツ誘致、ドイツ化学工業協会が強調 2009/05/15 金曜日
