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カタールガス社、LNG事業「カタールガス2」を完成

 【ドーハ7日PRN=共同JBN】カタールガス社は7日、カタールにとって歴史的瞬間となる世界初の完全統合バリューチェーン型液化天然ガス(LNG)事業「カタールガス2」を発足させた。

 エミール・シェイク・ハマド・ビン・ハリファ・アル・サーニ閣下がカタールのラスラファン工業地区に集まった落成式出席者を前にこのプロジェクトを正式にスタートさせ、カタールのLNG分野での大きな成果を公式に表明した。英国王子ヨーク公アンドリュー殿下は英国を代表して式典に立ち会った。

 カタールガス2は完全統合バリューチェーンを生み出すカタールガスの歴史的プロジェクトの成就である。このLNGトレイン(液化天然ガスプラント)は世界のエネルギー産業でこれまで達成された能力を50%上回る。

 全体として、カタールガス2はオフショア無人プラットフォーム3基、世界クラスのLNGトレイン2本、貯蔵タンク5基、2カ所の荷積み用停泊所、最新のLNG船14隻、英ウェールズ南部ミルフォードヘイブンの受け入れターミナル(基地)で構成される。

 LNGの主要仕向け地はミルフォードヘイブン(英国)深海港にある特製のサウスフック基地である。ガスはそこから英天然ガス市場の顧客に届けられる。カタールガス2は英天然ガス需要の20%まで賄う能力がある。

 アブドラ・ビン・ハマド・アル・アティーヤ副首相兼エネルギー・工業相は「本日はLNG業界とカタールにとって重要な日である。カタールガス2プロジェクトは英国および世界中のその他LNG市場にとって新しいエネルギーの多様化、供給源を意味する。また、カタールガス2はこれらの先駆的なメガトレインの建設とLNG輸送船の建造を通じて長期的な能力創出への大規模な投資も意味する」と語った。

 カタールガスのファイサル・アル・スワイディ最高経営責任者(CEO)は「われわれがカタールガス2で実現しようとすることは、エミール閣下の指導に基づくカタール政府のビジョンがなければ不可能だったであろう。カタール・ペトロリアム、エクソンモービル、トタルなどわれわれの株主の支援は、このビジョンを現実に変える上で大きく貢献した。このプロジェクトを安全に実行し、長期にわたり安全性と信頼性を確保して運営するために多くの人々が懸命の努力をした。彼らに感謝したい」と語った。

 式典にはカタールの副首相兼エネルギー・工業相、カタール・ペトロリアム社の高級幹部、英国王子ヨーク公アンドリュー殿下、英エネルギー・気候変動省のマイク・オブライエン国務大臣を含めカタール、英国両国から多数の政府高官が出席した。

 ゴードン・ブラウン英首相はこの歴史的な出来事でカタールを祝福するビデオメッセージを送った。

 式典のゲストにはカタールガスの株主、カタール・ペトロリアム、エクソンモービル、トタルの代表が含まれた。

 カタールガス2が特別なのは、それがカタールガス最初の拡張プロジェクトであるという理由ではなく、トレインの規模、新技術、海運でのイノベーション、労働力の水準、マーケティング、プロジェクト金融に関してLNG業界で初めて国際コントラクターと密接に協力して国際エネルギー企業をパートナーとして参加させたことによる。

 プロジェクトを完成するために40の新技術と300万ポンドの新機材・システムが投入された。排出ガスレベルを下げるために低公害技術と余熱回収システムが採用されている。これらのイノベーションによりカタールガス2トレインは極めて効率的で、今日までに建設されたLNGプラントで最も排出量が少ないものとなっている。

 この10年の間にカタールガス国営公社(Qatargas Operating Company)はLNG年産能力600万トンの3列のトレインと主要顧客1社を有する企業から3大陸の市場に年間4200万トンを供給する業界のグルーバルリーダーに成長した。

 プロジェクトに貢献したカタールガスの100人の職員はエミール閣下の舞台に姿を現し、閣下は彼らの献身と勤勉さに謝意を表明した。プロジェクトの安全面の記録は見事なものだった。カタールガス2プロジェクトは3つの異なる機会に1度も時間を失う事故を起こすことなく2000万時以上の延べ総労働時間を達成した。この記録はLNG業界とその他でモデルとなったカタールガスの強い安全文化を反映している。

 落成式はカタールと来月サウスフック施設をオープンする英国の両方を祝福するものだった。規模においてサウスフックLNGターミナル開発に匹敵するプロジェクトは英国内にほとんどない。英国ウェールズのウエストペンブロークシャーに位置するこのターミナルは、年間能力1560万トンの能力を有する欧州最大のLNG受け入れターミナルで、貯蔵タンクの直径が世界最大である。


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