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フォルクスワーゲン、08年決算は販売台数・売上高など最高記録

 フォルクスワーゲングループが発表した2008年度(1~12月)決算は、販売台数は前年比1.3%増の630万台に上り、売上高は4.5%増の1138億ユーロ。営業利益は前年比3.0%増の63億ユーロ。税引き後の利益は13.7%増の47億ユーロとなり、いずれも過去最高を記録した。

 フォルクスワーゲンの自動車部門は、2008年に初めて10.9%という2桁の投資利益率(ROI)を達成。前年の9.5%に続いて9%の最低目標を超えた。市場環境が悪化した状況下で、10億ユーロほどの生産コスト改善により、2008年の営業利益は前年の62億ユーロから63億ユーロに増加した。

 2008年、フォルクスワーゲングループは約68億ユーロをモデルラインアップの拡張またはロシア及びインドでの新しい生産拠点に投資した。これらの投資は主に低燃費のブルーモーション・シリーズのさらなる進化と今後のための環境に優しいクルマ向けの低燃費技術の開発に当てられている。

 ▽市場
 昨年、グループ全体で合計52の新型および後継モデル、ないしはフェイスリフトモデルを市場に導入。世界の自動車市場が6%も下落する中で、欧州最大手の自動車メーカーであるフォルクスワーゲンは販売台数を伸ばし、主要市場でのマーケットシェアの拡大に成功した。

 成長が最も著しい地域は南アメリカ、アジア太平洋地域や、初めて100万台以上(12.5%増)を販売した中国だった。本国ドイツではフォルクスワーゲングループは0.5%で市場の水準(1.8%減)を上回り、106万台を販売。これに合わせてマーケットシェアを0.9ポイント、33.6%まで拡大させた。フォルクスワーゲンにとり規模的にも第3位の市場であるブラジルの販売台数(63万3300台、8.9%増)も今回のグループの実績に大きく貢献している。またフォルクスワーゲン・オブ・アメリカは18.0%減となる全体市場で31万4500台、4.5%減にとどめた。テネシー州の新工場建設やフォルクスワーゲン・オブ・アメリカ本社のバージニア州への移転により、業務体制の改善を図った。

 ▽ブランドとビジネス分野
 フォルクスワーゲン乗用車部門における新型車のハイライトは、「パサートCC」や「シロッコ」に加え、コアモデルの新型「ゴルフ」でした。同ブランドの営業利益は40%ほど改善され、27億(前期19億)ユーロに上昇した。為替相場による負担は、その金額以上に抑制された固定費や改善した生産コストにより解消された。

 プレミアムブランドであるアウディは、史上初の100万台以上の販売台数を達成した。これに最も貢献したのは「アウディA4」で、営業利益は28億(前期27億)ユーロに達している。

 シュコダのハイライトモデルは新型「スパーブ」で、このチェコ子会社の営業利益は5億6500万(前期7億1200万)ユーロだった。チェコの通貨クローネとの為替相場により、前年の実績を1億4700万ユーロ下回った。

 スペインのセアトは新型「イビザ」が注目の商品だった。同ブランドの主な市場であるスペインは厳しい経済環境が響き、利益改善プログラムを進めながらも7800万ユーロの損失(前期:8000万ユーロの利益)となっている。

 ベントレーは高級車市場が後退する中で、1000万(前期1億5500万)ユーロの利益を生み出した。フォルクスワーゲン商用車は販売増加、改善したコスト構造および生産性の向上により、利益が前年比23%増となる3億7500万(前期3億500万)ユーロに増加した。


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