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オープンな車載娯楽情報機器開発、GENIVIアライアンス発足

 【サンラモン(米カリフォルニア州)3日PRN=共同JBN】有力な自動車メーカーと供給業者は3日、オープンソースの車載インフォテインメント(IVI)標準プラットフォームの開発と広範な採用を進める非営利組織、GENIVIアライアンスの結成を発表した。新しいアライアンスはIVI市場に投資し、イノベーションを進めるため業界をリードする自動車、家電(CE)、通信、アプリケーションの各企業を一体化する。このような努力によって製品投入時間と総所有コストがともに短縮されることになる。

 GENIVIアライアンスの創設メンバーであるBMWグループ、デルファイ、ゼネラルモーターズ(GM)、インテル、マグネティ・マレリ、PSAプジョーシトロエン、ビステオン、ウィンドリバーの各社は、製品ラインと世代を超えた拡張性を有し、共通ソフトウエア・アーキテクチャーとなる共有のGENIVIプラットフォームを生み出すため協働する。GENIVIプラットフォームは、自動車メーカーが新しいソリューションを提供できるペースを加速し、消費者のライフスタイルに一段と接近させ、接続サービスなどの新しいビジネスモデル作りを急ぐことになる。

 BMWグループのインフォテインメント・コミュニケーション・システムズ部門ゼネラルマネジャーで、GENIVIのスポークスマンであるグラハム・スメサースト氏は「GENIVIは占有ソリューションといった伝統的なアプローチに挑戦し、この部門ではまだ見たことのないレベルの創造性を生み出す。まったく差別化されない領域のアーキテクチャーにおいて共通の標準プラットフォームで協働することで、GENIVIメンバーは革新的な顧客向け機能の開発と統合に注力することができる」と語った。

 GMグローバル・エレクトロニカル・システムズ・コントロールズ・アンド・ソフトウエア部門専務取締役のハンスゲオルク・フリッシュコーン氏は「共通の標準プラットフォームを持つことは、革新的かつ高度の車載エンターテインメント・アプリケーションにとって極めて重要である。GENIVIアライアンスはこれを可能にし、業界パートナーと緊密に協力して開発コストを共有し製品市場化への全体的スピードを向上させることができる」と述べている。

 PSAのイノベーション・エリア・マネジャーのジェルフ・キンケリン氏は「自動車業界は自由競争と完成度の高い技術に対する不要な作業の繰り返しを回避して、持続的に効率性を向上させる必要があり、これは現在の経済環境ではとりわけ重要である。われわれはGENIVIがオープンな環境を通じてビジネスの効率を進め、現在想像しうるものをはるかに超えるリッチなエコシステムを育てるためまさに適切なフォーラムであると固く信じている」と強調した。

 GENIVIプラットフォームは、これまで業界内で重複していたIVI開発プロセスの各要素の流れを円滑に進めることになる。オープンソース・プラットフォームで自動車界を緊密に提携させることで、自動車メーカーと供給業者は差別化製品とサービスを構築でき、これまでは自動車分野への参入が難しかった企業にも機会を生み出すという共通基盤を提供する。

 オープンソースのGENIVIプラットフォームの開発は順調に進んでおり、今年の夏には初の技術的成果が発表される予定である。この成果はインテル(登録商標)・アトム(Atom、商標)・プロセッサーとウインドリバー・リナックスで動作する試験済みかつ実証済みの自動車向け試作品に基づいており、GENIVIメンバーによって過去18カ月にわたって開発されたものである。この標準プラットフォームの実装は、開発者間のイノベーションを促進させるためオープンソース・コードで利用できるようになる。

 GENIVIアライアンスのメンバーであるBMWグループのグラハム・スメサースト氏は、今年3月5日にドイツ・ハノーバーで開かれる国際情報通信技術見本市(CeBIT)会議で基調講演を行い、GENIVIが果たす役割に重点を置きながら自動車エコシステムにおけるIVIソリューションの発展と開発について説明する。基調講演に次ぐパネルディスカッションではメンバー企業の講演者たちがGENIVIプラットフォームを取り巻くビジョンとイニシアチブを紹介する。これらの活動はオープンソース・フォーラム(ホール6、ルームナンバーE50)で午後2時から3時半に行われる。

 詳しい情報あるいはGENIVIメンバーになるには、www.genivi.orgを参照。

 ▽GENIVIアライアンスについて
 GENIVIアライアンスは非営利の業界団体であり、その使命は車載インフォテインメント(IVI)のオープンソース開発プラットフォームの幅広い採用を促進することにある。GENIVIは必要条件を調整し、標準(プラットフォームの)実装を進め、認証プログラムを提供し、活気のあるオープンソースIVIコミュニティーを育てることでこの使命を実現していく。GENIVIの努力は開発サイクルの短縮、製品の市場投入間の迅速化、IVI機器とソフトウエアを開発する企業のコスト削減をもたらす。GENIVI(www.gevini.org)の本部所在地は米カリフォルニア州サンラモン市にある。

 ▽記事内容を支える追加の引用文
 デルファイ・エレクトロニクス・セーフティーディビジョン内のエンターテインメント・コミュニケーションズ・プロダクト・ビジネス部門ゼネラルディレクターであるケン・エリクソン氏は次のように語った。

 「オープンソース・コミュニティーの緊密な提携は、インフォテインメントにおけるデルファイの成功に重要である。自分の車に斬新で素晴らしいインフォテインメント製品を持ちたいという消費者の期待があり、機器とコンテンツ、配信手段を同時に開発する結果になった。オープンソース・プラットフォームの開発によって、われわれイノベーションのペースを速め、顧客が車に期待する現実的なインフォテインメント・ソリューションを提供することができる」

 マグネティ・マレリのエレクトロニック・システムズ部門長のジュゼッペ・ロッソ氏は次のように語った。

 「マグネティ・マレリは、インフォテインメント市場で高まる複雑さに対応するため長年、オープンシステム概念で作業を進めてきた。このアプローチはより環境に優しく安全性を統合した走行という問題に対応し、OEM各社が求める市場化時間の短縮という寛大に欠かせない。GENIVIはわれわれの努力を一つの方向に集中する大きな機会となる」

 ビステオンのオーディオ・インフォテインメント・システムズ部門グローバルディレクターであるクリスチャン・フェルトジェン氏は次のように語った。
 「GENIVIによって、開発時間枠は劇的に短縮することができ、提供コンテンツも拡大する。ビステオンはオープンソース・プラットフォームを採用することで、当社の中核的な知識と能力である車載知的財産に対する努力に傾注でき、より多くの消費者向け機能とサービスを組み込むため、さらに広がる開発コミュニティーが供給するソフトウエアを活用することができる」


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