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日本企業の海外買収が国内上回る、M&A調査会社発表

 【香港21日PRN=共同JBN】M&A情報サービス会社のマージャーマーケットは、21日、2008年の日本企業による海外企業買収額が国内企業買収額を初めて超えたことを発表した。

 21日発表されたレポート「2008年日本のM&A概要」によると、2008年に日本企業を対象としたM&A取引金額総額は605億米ドルで、2007年の943億米ドルから35・8%減を記録した。買収件数も439件から380件に落ち込み、特に2008年第4四半期の買収件数はわずか64件を記録し、過去3年間で最低水準となった。M&A市場の縮小は日本だけにとどまらず、世界全体でも買収額で前年比31%減の2・5兆米ドル、件数にして20%減のおよそ1万2200件となった。

 しかし日本企業によるM&A取引金額総額に焦点を当てて見ると、異なる傾向が明らかになる。日本企業が買収した取引金額総額は、2007年の894億米ドルから2008年には1148億ドルに増加しており、日本企業のM&Aに対する姿勢はいまだに堅調であることがわかる。日本企業による海外企業の買収は611億米ドルにのぼり、日本企業がM&Aに投じた総額の53・2%を占めた。マージャーマーケットのデータによると、日本企業による海外企業の買収が国内企業の買収額を上回ったのは今回が初めてとなる。

 また、レポートによると、海外企業買収の28・7%を金融セクターが占め、海外における日系金融機関の存在感が高まることになった。日本最大手の証券会社としての地位を確立している野村ホールディングスは、9月に破綻したリーマン・ブラザーズの欧州およびアジア地域事業を買収することにより、世界的に知名度を高めた。株価暴落で自己資本比率が悪化したモルガン・スタンレーに対しては、三菱UFJファイナンシャル・グループが総額90億米ドルを注入した。

 景気の低迷を食い止め、企業の成長を支えるためには、政府が海外からの投資を歓迎する姿勢を明確にする必要がある。今年は衆議院選挙が予定されていることもあり、海外からの投資についての議論が再燃する可能性もあるだろうと、レポートは論じている。
 プレスリリース全文を見るには、以下のリンクを参照

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http://www.mergermarket.com/pdf/Press-Release-Japanese-M&A-Year-End-2008.pdf

 ▽会社概要
 マージャーマーケットは、M&A(企業の合併・買収)に特化した情報サービスである。マージャーマーケットはニューヨーク、ロンドン、香港に地域本社を置き、マージャーマーケット・グループのグループ会社として、450人を超えるスタッフがサービス提供に取り組んでいる。マージャーマーケットが提供している情報は、米国、欧州、中東、アフリカ、アジア太平洋地域の世界主要都市に在籍するジャーナリスト・チームによって書かれ、独占的に配信される。リアルタイムでメールにて配信される情報は、mergermarket.comのウェブサイトからも見ることができる。


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