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インターネット依存症治療で提言、ハーモニー・パシフィック

 【シカゴ、シンガポール9日PRN=共同JBN】米国を拠点とするコンサルタント会社ハーモニー・パシフィックは9日にシンガポールで開催される「e-CASE2009国際会議」(電子商取引・電子政府・電子社会・電子教育に関する2009年国際会議)での講演に合わせて白書を公開した。

 「インターネット依存症の病因的、診断的考察による治療との関係:ブートキャンプ(新兵訓練キャンプ)・アプローチに伴う注意」と題するこの文書は、中国と韓国における重症のインターネット依存症を治療するに当たって、準軍隊的(ブートキャンプ)手法を用いる傾向を調査している。

 「インターネット依存症」は現実の現象であるが、この症例を個別の精神医学的診断に関連づけて使用するのは問題がある。公認臨床心理学者でこの文書の著者であるアレックス・クウェー博士によると、これはインターネット依存症がうつ病や不安症など治療の対象となる基本的な一次診断もしくは初期診断の兆候に過ぎない可能性があるためだ。さらに「依存症」という言葉は、個人に特有の個別の症状を意味するが、クウェー博士は「インターネット依存症は個人を超越する多くの社会的理由を持つ症状のようだ」と観察している。

 インターネット依存症を対象とするブートキャンプ手法は、一次診断の扱いを誤り、若い世代に影響を及ぼしているより幅広い社会・文化的要因が果たす役割を無視することになり、生活上の問題に有効に対処する一般的能力を与えることができないかもしれない。クウェー博士は「インターネット依存症の診断を扱う際は、社会的レベルで混乱を招く事態について一部の個人集団をスケープゴートにする安易な方法になり得る」と指摘する。いずれにしても米国的なブートキャンプ利用に関する研究が示しているのは、軍隊様式の手法が問題をリハビリ的に対処するには一般的に有効ではなく、さらに問題を悪化させてしまうという。

 この白書は研究資料を検討した結果、長い目で見て最も有効な治療法は、理想的にはスキルの構築とモチベーション的側面を含めるべきだと結論づけている。しかし最大の挑戦はインターネット依存症の現象に関わる社会的圧力と価値に向かい合うことである。
 白書はhttp://www.harmonypacific.com/uploads/e-case_2009.pdfからダウンロードするか、

http://www.e-case.org/2009のe-CASE2009国際会議議事録から入手できる。
 公認臨床心理学者でハーモニー・パシフィック・コンサルタンツ社長であるアレックス・クウェー博士への質問は、電子メール(akwee@harmonypacific.com)あるいは電話(1-630-234-0129)で。

 日本語の質問はエイコ・ベノビッツ博士の電子メール(evenovic@harmonypacific.com)あるいは電話(1-630-479-2254)で。
 リストに掲載された専門家(Alex W. Kwee)に関する情報は以下のリンクを参照。
 https://profnet.prnewswire.com/Subscriber/ExpertProfile.aspx?ei=84922


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