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トライベッカ映画祭ドーハを開設、第1回は来年11月

 【ドーハ24日PRN=共同JBN】アル・マヤサ・ビント・ハマド・ビン・ハリファ・アルサーニ閣下夫人と映画祭創設者たちがこのほど、戦略的提携協定に調印し、長期文化提携関係を発表し、ドーハ・イスラム美術館が映画祭主催する。

 国際的な対話と理解のプラットフォームとしてこのアラビア湾岸国家の文化的リソースの開発に専念しているカタール美術館局(QMA)は、世界的に有名なニューヨークのトライベッカ映画祭(TFF)と世界クラスの国際映画祭「トライベッカ映画祭ドーハ」を開設する画期的な協定を結んだと発表した。第1回は2009年11月10-14日に開催され、ドーハの有名な新しいイスラム美術館とドーハ市内の各映画館で上映される。

 この文化提携関係の発表は新しいイスラム美術館での特別式典で行われ、カタール美術館局理事会長のアル・マヤサ・ビント・ハマド・ビン・ハリファ・アルサーニ閣下夫人、カタール美術館局のアブドラ・アル・ナジャル最高経営責任者(CEO)が出席した。トライベッカ映画祭の代表として共同創設者のロバート・デニーロ、ジェーン・ローゼンタール、クレイグ・ハトコフが参加した。

 マヤサ閣下夫人は、トライベッカ映画祭ドーハが世界各地のひとびとを一堂に集め、アラブ文化とアラブ世界に対する認識と理解を助けるだろうとの信念を発表した。

 同閣下夫人は「すべての国から映画ファンを招いて、トライベッカ映画祭ドーハを訪れてこの芸術に対する情熱を共有するようにしたい。グローバル化が進む現在の世界では、この映画祭のような創造的な計画が文化を互いに接近させることによって真に霊感を与える役割を果たせる」と述べた。

 トライベッカ映画祭ドーハは、毎年ニューヨークで開催され8年目を迎えているトライベッカ映画祭をモデルにする。ニューヨークのイベントと同様、この映画祭も共同体、さまざまな観客、世界的な映画業界を歓迎する。TFFとQMAの幅広い協力の結果、この映画祭は地元カタールの共同体とより広範なアラブ文化を提示することを目指している。

 トライベッカ映画祭ドーハは評価の確立した映画製作者の新しい作品と新たに見出された才能ある監督のデビュー作品を上映する。プログラムには約40の作品と特別イベントが含まれる。この映画祭は、カタールや世界各地で論議を進めることを目標に、親密な環境における世界文化の巨匠たちの思考を刺激し、洞察に満ちた対話である「ドーハ会話」を開設する。映画祭プログラムの詳細とゲストは追って発表される。

 アブドラ・アル・ナジャルCEOは「トライベッカ映画祭ドーハは世界の映画界で毎年の大イベントになるはずだ。この映画祭には屋外の映画上映から子ども向け映画まで、ドキュメンタリーからハリウッドの新作まで、独立系映画からアラブの映画製作者による傑作まで幅広いプログラムが含まれる」と語った。

 TFF共同創設者のジェーン・ローゼンタールは「QMAと長期的な文化提携関係を築けること、来年11月のトライベッカ映画祭ドーハの開幕を発表できることは光栄だ。文化と教育を重視し、変革を目指すカタールの21世紀ビジョンは、トライベッカ映画祭の目標、願望とユニークに一致する」と述べた。

 ロバート・デニーロは「トライベッカ映画祭ドーハでは映画がエンターテインメントの一種として使われるだけでなくさまざまな文化を接近させる役割を果たすことを期待している。お互いのストーリーを学ぶことでわれわれがどれだけ多くのことを共有しているかを知り、違いを調べ、よりよく理解することができる」と語った。

 TFF共同創設者のクレイグ・ハトコフは「積極的な文化的意義のほかに、この構想は中東のエンターテインメント市場が持つ巨大な可能性と映画産業の将来にとってこの地域が持つ戦略的重要性を強調するものである。成功のカギは相互の文化と伝統を理解し、尊重することだと思う。この映画祭はドーハやその他での多くの重要な教育的構想につながると信じている」と述べた。

 ニューヨークのマイケル・R・ブルームバーグ市長は「トライベッカ映画祭は世界的に有名なイベントになり、カタール美術館局との新たな提携はその成功をさらに活用して映画と映画製作者を世界の観客に紹介するというその任務をさらに助けることになるだろう。ニューヨークにおける映画祭の大きな文化的、経済的影響は明白であり、ドーハが同様の利益を得るだろうと期待している。トライベッカ映画祭のようなニューヨークの枠組みがドーハに拡大することはニューヨークの映画の国際的な重要性を示すものであり、両都市の間の新たな関係の推進を助けることになるだろう」と語った。

 トライベッカ映画祭は2001年にロバート・デニーロ、ジェーン・ローゼンタール、クレイグ・ハトコフが9月11日の出来事に呼応して創設した。映画祭の当初の目的は毎年の映画、音楽、文化の祭典を通じてロアーマンハッタンの経済的、文化的再活性化を刺激することだった。

 最新の映画祭情報はトライベッカ映画祭ドーハの公式ウェブサイト-www.tffdoha.comで入手できる。

 ▽カタール美術館局について
 2008年12月1日にオープンするイスラム美術館は先駆的なプロジェクトで、地域内と世界でカタール国の文化的ビジョンを際立たせている。カタール美術館局理事会長のアル・マヤサ・ビン・ハリファ・アルサーニ閣下夫人の指導的なビジョンのもとで、このプロジェクトはカタール国を文化の世界首都に変えるという文化的青写真の礎石となった。

 美術館は埋め立て地でできた島にあるドーハの崖道から60メートル離れた建築上の傑作として建てられている。プリツカー賞を受けたI・M・ペイ氏が3万5500平方メートルの美術館の設計を委嘱された。設計のインスピレーションを同氏はエジプトのカイロにある9世紀のアハメド・イブン・トゥルン・モスクの13世紀のサビル(洗手盤)から得た。

 表面が石で覆われている美術館は5階建ての本館と中庭でつながっている2階建ての教育館で構成されている。本館は高さ50メートルの中央のドーム形アトリウムを中心に角ばった外観が徐々に低くなっている。ドームは中央塔の壁で外部の視線から隠されている。美術館の北側はガラスのカーテンウォールが45メートルの高さまで伸びており、アトリウムの5つの階すべてから湾岸とドーハのウエストベイ地区の素晴らしい景色を見ることができる。

 中東全体やスペイン、インドなどの国々を含む3大陸から収集された美術館の芸術作品は7世紀のものから19世紀にまで及んでいる。イスラム美術の全体を代表するこのコレクションには写本、陶器、金属、ガラス、象牙、繊維、木、貴石が含まれており質も素晴らしい。

 カタール美術館局はカタール国内の全美術館の収蔵品をまとめるため2005年12月に設置された。同局のビジョンは、国立美術館の発展、歴史的な遺跡、モニュメント、工芸品の収集、保護、保存、解釈の効果的なシステムの確立のための将来の計画全体を覆う包括的な傘となる規定が中心となっている。

 ▽トライベッカ映画祭について
 ロバート・デニーロ、ジェーン・ローゼンタール、クレイグ・ハトコフはニューヨークの世界貿易センターに対する攻撃の後、毎年の映画、音楽、文化の祭典を通じてロアーマンハッタン地区の経済的、文化的再活性化を刺激するため2001年にトライベッカ映画祭を創設した。映画祭の使命は映画製作者ができるだけ幅広い観客に作品を提供するのを助け、国際映画界と一般民衆が映画のパワーを体験し、映画製作の一大センターとしてのニューヨークを推進できるようにすることである。

 - トライベッカ映画祭は新進の監督も評価の確立した監督もサポートする多様性のある国際映画祭として有名である。

 - トライベッカ映画祭は2002年の第1回以来、約80カ国の約1100本の映画を上映した。

 - 同映画祭はミラノ、北京で、またローマ映画祭と文化交流プログラムを行った。
 - 同映画祭は系列の非営利組織(NPO)トライベッカ映画学院を通じて複数の教育プログラムをサポートしている。

 創設以来、ニューヨークでの映画祭は200万人以上の観客を集め、ニューヨークのための経済活動で約5億3000万ドルを生み出した。


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