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米ウォルマートストアーズ、中国事業強化計画を発表

 【北京22日PRN=共同JBN】米ウォルマートストアーズインク(Wal-Mart Stores, Inc.、NYSE: WMT)は22日、北京で1000を超える大手サプライヤー、中国政府当局者、NGO代表が出席した前例のない会合を主催し持続性を求める道程で次の一歩を踏み出した。同社はもっと環境に優しく社会的に責任あるグローバルサプライチェーンを構築する一連の積極的な目標と期待の概要を説明した。

 同社のリー・スコット社長兼最高経営責任者(CEO)は「持続可能性とはより良い事業を構築することである。それは小売業者としてのわれわれの将来の成功と顧客の期待に応えるために必要不可欠であると考える。現在および将来にわたり顧客の信頼を維持することは、われわれのサプライヤーの工場と製品の品質改善と密接に関係している」と語った。

 同社は社会・環境基準の達成または超越、イノベーションと効率の推進、サプライヤー、政府、NGOとの提携強化を目指した領域に力を入れる。

 さらにスコット氏は「労働者の超過勤務手当や年齢をごまかす、またスクラップや化学物質を川に投棄する、税金を払わず契約も守らないといった企業は最後には製品の品質をごまかすと私は確信している。そして製品の品質をごまかすことは顧客をだますことと同じだ。ウォルマートではこうしたことを許さない」と語った。

 ウォルマート国際部門のマイク・デューク副会長は出席したサプライヤーに対し、ウォルマートとの取引を希望するサプライヤーにとって必要な多くの要件と期待を説明した。デューク氏は「本日、われわれが示す目標の達成には共通のコミットメントが必要だ。より強力で深い関係が必要であり、われわれ全員が協力することが必要だ。われわれはウォルマート自体にさらに多くを期待しており、サプライヤーにもさらに多くを期待する」と語った。

 ▽責任ある調達
 この「サミット会合」でウォルマートは同社との取引を希望する企業に対する一連の要件を説明した。これらの要件には以下が含まれる。

 ― 環境法令遵守の実証:中国がより清潔な環境を望んでいることは明らかで既に成立した法律はこのことを反映している。ウォルマートはサプライヤーによる環境・社会基準の順守をさらに強化、実施するための多くの措置を講じる。これには工場が操業する場所で法令と厳しい社会・環境基準を順守している証明を義務付ける新しいサプライヤー契約の作成が含まれる。新契約は中国のサプライヤーには2009年1月から段階的に適用され、世界各地のサプライヤーには2011年までに適用される。

 ― エネルギー効率を改善し天然資源の使用を抑えるサプライヤーとの提携:ウォルマートは中国で物資を直接調達している上位200工場のエネルギー効率を2012年までに20%改善するサプライヤーと提携する。同社は全調達工場および競業する企業と情報、ベストプラクティスを共用する。

 ― より高度の製品安全・品質基準:ウォルマートは欠陥商品の返品を事実上2012年までになくすことを目指している。

 ― 透明性とオーナーシップの拡大:2009年までにウォルマートはすべての直接輸入サプライヤーと自社ブランドおよびノーブランド商品のすべてのサプライヤーに対し、売却する製品を作るために使用するすべての工場の名前と場所を提供するよう義務付ける。ウォルマートは同社が直接買い付けるサプライヤーに対し、2012年までに製品の95%を環境・社会基準の実践で最高の評価を得ている工場から調達することも義務付ける。

 また、ウォルマートは店舗をより持続可能なものにすると確約してウォルマート・チャイナ社を中国におけるサステナビリティーのリーダーにする大がかりな計画も発表した。同社はエネルギー使用を40%減らす新しい店舗のプロトタイプを設計、開設し、2010年までに既存店舗のエネルギー使用を30%削減する。さらに今後2年間でウォルマート・チャイナ社は取引企業と店舗の水使用をもっと効率的にする新しいハードウエアとシステム、ベストプラクティスの開発に投資して、全店舗の水使用を削減することを目指す。

 同社はさらに環境上持続可能な製品を店舗の棚にそろえることも確約した。

 ウォルマート・チャイナのエド・チャン社長兼CEOはウォルマートが中国で最も環境面で責任を持つ小売業者になるために取る手段の説明で、ウォルマートと同社のサプライヤー、中国政府とのコラボレーションの必要性を説いた。チャン氏は「今日の世界で環境保護ほど焦眉の問題はない。ウォルマートは中国で(この問題で)リードする独自の機会を得ている。世界最大の人口と強力な製造業を抱える中国ほど環境面での持続可能性を定着させる大きな機会のある市場はほかにない」と語った。

 環境に関して中国政府はサステナビリティーの強力な目標を設定しており、ウォルマートはこれらの目標に足並みをそろえている。ウォルマートと中国科学技術部の「中国アジェンダ21」担当行政センターは、産業界と政府の双方にメリットをもたらす提携関係の1例となる「覚書」に調印した。ウォルマート・チャイナ社は自社業務の域を超えて顧客とサプライヤーが政府およびNGOとの提携関係を築くことに尽力する。

 今回のサミット会合はリー・スコット氏が2008年1月にウォルマート店舗マネジャーに対して行った「未来の企業」のスピーチに基づいている。このスピーチでウォルマートは同社の中国事業をより持続可能なものとし、もっと環境に優しく社会的に責任あるグローバルサプライチェーンを構築することを確約した。

 注:「チャイナサミット」のリプレーはウェブサイト(http://www.walmartstores.com)で閲覧可能。

 ▽ウォルマートストアーズインク(NYSE: WMT)について
 ウォルマートストアーズインクはウォルマート・ディスカウントストア、スーパーセンター、米国のネイバーフードマーケッツとサムズ・クラブにある店舗を運営している。同社はアルゼンチン、ブラジル、カナダ、中国、コスタリカ、エルサルバドル、グアテマラ、ホンジュラス、日本、メキシコ、ニカラグア、プエルトリコ、英国、さらに合弁事業体を通じてインドで活動している。同社普通株はシンボル名WMTでニューヨーク証券取引所に上場されている。ウォルマートに関する詳しい情報はhttp://www.walmartstores.comを参照。オンライン商品購入はhttp: //www.walmart.com とhttp://www.samsclub.comで可能。


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