クライスラーLLC、ニューアーク工場閉鎖など合理化案発表
【オーバーンヒルズ(米ミシガン州)23日PRN=共同JBN】ダイムラー社(Daimler AG)は23日、国際財務報告基準(IFRS)に従ったクライスラー・ホールディングLLCの2008年第2四半期決算でダイムラーが保有するクライスラー・ホールディングの株式19・9%に関し3億5100万ユーロの純損失を発表した。米一般会計原則(GAAP)ベースではクライスラー・ホールディングLLCに関するダイムラーの純損失は8800万ユーロで、このうち7600万ユーロの純損失はクライスラーLLCの自動車事業に起因するものである。
ダイムラーが公表したクライスラー・ホールディングの株式19・9%に関する3億5100万ユーロの損失と8800万ユーロの純損失の差額は、以下に起因する。
― 約1億7100万ユーロの損失に相当する米GAAPとIFRS会計基準との間の差額の調整。
― クライスラー・ホールディングの業績と関係しない総額約9200万ユーロの損失にかかわるダイムラーのその他の調整措置。
クライスラー・ホールディングLLCは世界でクライスラー、ダッジ、ジープ(登録商標)の車種を製造、販売する自動車会社クライスラーLLCと北米地域でこれら車両の金融サービスを提供するクライスラー・ファイナンシャルで構成する。
また、引き続く世界経済の減速、自動車産業の縮小、小型車へ向かう市場の動向に対応してクライスラーLLCは、トレド(米オハイオ州)ノース組み立て工場生産ラインの1シフトを削減し、ニューアーク(米デラウエア州)組み立て工場を閉鎖すると発表した。このスケジュール変更で消費者の需要により良く応えるための在庫調整を行う。
クライスラーLLCのフランク・エワシシン取締役副社長(製造担当)は「市場は前例のない混乱に直面しており、自動車業界は歴史的な変化の時期に入っている。これらの厳しいが必要な措置はわれわれが将来生き残るために重要である。逆風ではあるが、クライスラーは最近「テキサスのフルサイズ・ピックアップトラック」と命名された全く新しいダッジ・ラムのように、消費者が求める製品を提供するという使命の達成を積極的に追及する」と語った。
トレドノース工場のシフト削減は今年12月31日に実施され約825人が影響を受ける。ニューアーク工場の閉鎖も12月31日で約1000人が影響を受ける。
クライスラーは全米自動車労組(UAW)に加入している労働者の削減に社会的に責任ある方法で取り組むためUAWと協力することを確約している。同社が過去に行ったように、UAWと同社経営陣は影響を受ける場所に適用する特別プログラムを検討するため従業員との会合を持つ。
現在、トレドノース組み立て工場の従業員は約2100人、2シフトで操業しダッジ・ニトロとジープ・リバティを生産している。従業員はUAW支部12に所属している。
ニューアーク組み立て工場はダッジ・デュランゴとクライスラー・アスペンを組み立て、2006年7月以来、1シフトで操業してきた。工場休止が最初に発表されたのは2007年2月だった。ニューアーク組み立て工場の現在の従業員は約1000人でUAW支部1183と1212に所属している。
▽クライスラーLLCについて
クライスラーLLCは米ミシガン州オーバーンヒルズに本社があり、クライスラー、ジープ(登録商標)、ダッジ、モパー(登録商標)ブランドの車両と製品を生産している。2007年の世界総販売台数は270万台だった。北米以外での販売は2006年比15%増で過去最高だった。その製品ラインアップにはクライスラー300とタウン&カントリー、ジープ・ラングラーとグランドチェロッキー、ダッジ・チャレンジャーとラムなど世界で最もよく知られた車種が含まれる。同社の慈善団体であるクライスラー財団は毎年、米国や世界各地の数百の慈善団体を支援しており、2007年には約2100万ドルを寄付した。
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- [四輪・二輪]クライスラーLLC、ニューアーク工場閉鎖など合理化案発表 2008/10/24 金曜日