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画期的新機軸のワークチェア、ハーマン・ミラーが発表

 【ケルン(ドイツ)21日PRN=共同JBN】座席の快適さとエルゴノミクス、機能の新しい基準を次々と打ち立ててきた世界的なオフィス家具メーカーのハーマン・ミラー社は、次の画期的な新機軸となるワークチェアを発表した。国際的に有名なデザイナー、ジェフ・ウェーバーと故ビル・シュトゥンプの両氏が設計した「エンボディーチェア(Embody chair)」である。

 ハーマン・ミラーのドン・ゲーマン執行副社長(研究・デザイン・開発担当)は「人々の経験をより良いものにしようとするハーマン・ミラーの意欲は数多くのイノベーションを生み出した。過去30年間、当社のそれぞれの座席製品は次のものに対する研究と知識の基礎となった。エンボディーは実際に健康を増進するよう設計されたいすを提供することによって、今度もエルゴノミクスのレファレンスを新たに考案する」と語った。

 エンボディーはほとんどすべての知識ベースの創造的作業プロセスが、エレクトロニクスの領域に結びつくようになったことを認識している。人々は1日を通じて以前よりも長い時間コンピューターに縛り付けられている。長時間座っているのは体に良くないため、こうしたことは作業条件を一段と不健全なものにしている。いすは動作を妨げるが、動くことは体の健康と精神能力にとって極めて重要である。長時間の着席は細胞組織と筋肉にストレスを与え、脊柱に圧力を加え、血液の流れを制限する。その結果は肉体的、精神的疲労、不快感、イライラ、さらに高くつく損傷である。

 ウェーバー氏は「コンピューターと座っている人のインタフェースで座っている人の側に対する取り組みは決して十分ではなかった。事実、人々を犠牲にして技術を取り入れることが作業環境を創り出す優先事項になっている」と語った。

 これらは今日のアイデア経済において深刻な問題で、人々はアイデアを生み出すことで報酬をもらい、企業は人々が最大限の能力を発揮することを助けるツールを求めている。
 シュトゥンプ氏とウェーバー氏はこの問題を解決すると決めた。ハーマン・ミラーのエアロン(Aeron、登録商標)、エルゴン(Ergon、登録商標)、エクア(Equa、登録商標)ワークチェアを設計あるいは共同設計したシュトゥンプ氏は2002年にハーマン・ミラーにやって来て、「私にはもう一つ考えがある」と述べた。ビル・シュトゥンプ氏は2006年に死去したが、「スタジオ・ウェーバー+アソシエーツ(旧シュトゥンプ、ウェーバー+アソシエーツ)」の主宰者であるパートナーのジェフ・ウェーバー氏が作業を続行し、このいすの最終的な機能と形体を完成した。

 ハーマン・ミラーの機能横断的なチームと密接に協力し、学会・ヘルスケア・エルゴノミクス分野の有力者と相談しながら、ウェーバー、シュトゥンプの両氏は心と体の両方を支えて人間とコンピューターの関係にバランスを回復するいすを考案した。

 ウェーバー氏は「エンボディーは酸素の摂取および細胞内の酸素と炭酸ガスの交換を強化し、健康状態を改善し究極的に脳を活性化するので健康に良い着席経験となる」と語った。以下の一連の重要なイノベーションによりこうしたことが可能になった。

 ― 本能に従う背後部(背もたれ):エンボディーの背後部は人の脊柱に刺激されて個人に固有の脊柱湾曲に適合する。このため動作が自由かつ自然で血液の流れが改善し、不快感とイライラが解消する。背後部は狭く両腕を前後に自然に動かせる。このため胸腔を拡大して肺により多くの空気を取り入れ脳により多くの酸素を送れる。
 ― ピクセル表示の座席:人が動くと座席も一緒に動く。ピクセルのマトリクスを使用しているため座席の独特の3層材料構造と技術は細かい動きに合致し、重量を均等に配分する。
 ― ゾーン型サポート:このいすはすべての接触ポイントで体へのストレスを除去し、さまざまな人々に適合する。圧力が軽減されて細胞内の酸素と炭酸ガスの循環、交換が改善される。新鮮な心と快適さが維持される。
 ― 実用的なリクライニング:エンボディー独自の背もたれ傾斜メカニズムは健康に最適の作業ポジション、傾斜角度を促す。いすはあらゆるポジションの座席ポケットで自動的に人の骨盤を安定させ、胸部の後ろをサポートし、人の目とコンピューター画面を正確に調整する。人の体に不快で気をそらすような圧迫感をまったく与えないためアイデアと目前の作業に集中できる。
 ― 自由なサイズ調整:エンボディーはひとつのいすのサイズでほぼすべての人の能力、サイズ、好みに対応できる。座席表面の長さは座席ポケットに占めるユーザーのポジションを損なわずに両脚への圧力を減らすために拡大あるいは収縮できる。座席の幅は多くの人々の腰幅のサイズに対応できる。いすのひじかけはあらゆる作業活動や姿勢をサポートするために高さと幅を調整できる。

 エンボディーの形状はこれらの健康に適した機能で規定されている。このいすの技術は秘密ではない。それどころか、それは意図的な美学の一部であり、シュトゥンプ氏よるといすに「目の保養」になる魅力的な外観を与えている。

 ハーマン・ミラーの全製品と同様にエンボディーのデザインは、生体力学、着席行動・姿勢、人体計測データ、メタボリック測定、組織内かん流(体内組織での酸素と炭酸ガスの交換)などの幅広い研究に基づいている。

 研究では健康に適したエンボディーのメリットも確認している。例えば、エンボディーは体内における酸素維持水準が他のいかなるいすよりも良好で、人々が集中して作業に取り組むことを可能にしていると研究結果は示している。また、エンボディーのバックレスト(背もたれ)は他のいすと比較してユーザーにより大きなサポートを提供することが実証されている。

 エンボディーはハーマン・ミラーの環境へのコミットメントもサポートしており、2020年までにゴミ廃棄場ゼロ、有害廃棄物の発生ゼロ、VOC(揮発性有機化合物)排出ゼロというハーマン・ミラーの環境持続可能性の目標達成を支援している。エンボディーは米R&Dデザイン会社のMBDC(マクドノーフ・ブラウンガート・デザイン・ケミストリー=McDonough Braungart Design Chemistry)の「リサイクル可能な」(Cradle-to-Cradle)製品プロトコルを順守している。MBDCのシルバー認証は申請中。エンボディーの材料は45%が再生含有物で、96%が再生可能、またPVC(ポリ塩化ビニール)を含まない。

 ▽ハーマン・ミラーについて
 ハーマン・ミラーは人々が働き、治療し、学び、生活する場所を向上させる独創的なデザインとサービス、それに同社の社会的責任に対するコミットメントを通じて人々の身の回りの世界をより良いものとすることに努めている。2008年度に同社の受賞製品と戦略的コンサルティングサービスは20億ドル強の売上高を達成した。同社株式はシンボル名MLHRでナスダック(NASDAQ)のグローバル・セレクト・マーケットで取引されている。


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