現在位置: HOME > ニュース&コラム > ビジネス・産業 > 国際情報


EUへのはんだ供給に懸念、REACH規制実施で

 【ロンドン17日PRN=共同JBN】もし輸入業者が行動を起こさなければ、EU(欧州連合)の新しい化学物質規制REACH(化学物質の登録、評価、認可、制限)がEUへの金属・化学品供給を混乱させるとの懸念が今年末までに認識され始める可能性がある。REACHはEU域外のサプライヤーに依存している企業を中心にEU内のあらゆる企業に影響を及ぼす。しかし、REACHの事業への影響がほとんどあるいはまったく理解されておらず、REACHの最初の予備登録期限が11月末に迫っているため、定められた時間スケール内でエレクトロニクスのサプライチェーン(流通経路)でコンプライアンス(法令順守)が達成されないだろうとの懸念が生まれている。

 はんだ供給業者の情報保護統制に関する調査結果(http://www.ipc.org/3.0_Industry/3.4_EHS/2008/REACH-readiness-survey-report-July-2008.pdf)(8ページ)は、REACHの予備登録期間が3カ月足らずとなった現在、憂慮すべきことである。REACHのコンプライアンスへの対応を尋ねられると、ほとんどの回答は10ポイントの尺度で1(ゼロ)だった。企業はコンプライアンスを達成しなければEU市場から排除され取引中断になる可能性があることを理解していないかもしれない。

 工業技術研究院(ITRI)環境問題担当マネジャーでREACH金属スズ・コンソーシアム(REACH Tin Metal Consortium)事務局長のケイ・ニンモ氏は「金属生産企業が予備登録に対する措置を講じたためEUへのスズ塊供給は引き続きかなり順調だが、EU内のスズ合金あるいははんだ輸入業者の計画はほとんど知られていない。スズや棒状、ワイヤ、および/あるいはペースト状で輸入されるその他金属の合金は、REACH規制に従ってEUの輸入業者があるいはEU域外の生産者の代理人がすべて予備登録する必要がある。合金の形でスズを輸入するためにこれまで予備登録を済ませたはんだ企業の数が極めて少ないのは心配だ」と語った。

 REACHは人の健康や環境に対するリスクを最小限にするため、EU内で製造、使用されるすべての化学品や金属に関する情報の入手を確保することを目的としている。サプライヤーは登録によりこうした情報を提出する必要があり、そのための期限は時宜にかなった予備登録の後、延長が可能である。

 ITRIは2005年以来、スズのサプライヤーとユーザーがコンプライアンスを達成するために必要とするデータの収集と作成を行い、スズ業界のためにREACHに対する準備を進めてきた。REACH金属スズ・コンソーシアムへの加入はケイ・ニンモ氏(Kay Nimmo、電話:+44(0)1727-871-312, 電子メール:kay.nimmo@itri.co.uk)まで連絡を。


関連記事

powered by weblio


前後の記事



記事バックナンバー

購読のご案内

取材依頼・プレスリリース

注目のニュース
最新の産業ニュース
写真ニュース

最新の写真30件を表示する