アトメル社、タッチコントロールチップ発表
【サウサンプトン(英国)15日PRN=共同JBN】アトメル(Atmel=登録商標 Corporation, ナスダック: ATML)は15日、パルス幅変調(PWM)出力機能から直接、最大7個の低電圧LEDをドライブできる6チャンネル・タッチセンサーを内蔵したタッチコントロールチップ、AT42QT1060を発表した。動作電圧がDC5・5V(最小電圧DC1・8V)、スタンバイモードの消費電流が1マイクロアンペア未満のこのデバイスを使うことによって、バッテリー寿命を伸ばすことができる。4x4ミリの小型MLF28パッケージ仕様を採用したこの製品は、携帯電話その他の携帯端末での使用に適している。AT42QT1060は、旧クアンタム・リサーチ・グループの電荷転送技術(charge-transfer technology)を使ったアトメル製の静電容量式タッチコントローラー最新製品。このほか、単数または複数のタッチボタン、タッチスライダー、タッチホイール用のQTouch(商標)、QMatrix(同)ベースのコントローラーを取り揃えている。
AT42QT1060は携帯型エレクトロニクス製品での使用に適した設計となっている。静電容量式ガードチャンネルを内蔵しているので、例えば付着した水分が原因で発生する誤作動を防ぐことができる。この機能はこのほか、MP3プレーヤーのようなデバイスをポケットに入れて持ち運ぶ場合、または耳かけ式の携帯電話で発生しやすい誤操作も防止することができる。高集積度のAT42QT1060を使うことによって部品点数を削減し、設計の複雑化やコストを抑制し、製品開発を迅速に進めることができる。
このセンサーチップは、旧クアンタムの特許技術、QTouch(商標)電荷転送センサー技術を採用している。この堅牢な技術はスペクトラム拡散変調を使って高い電気ノイズ耐性を実現し、さらに、隣接キー抑制(Adjacent Key Suppression(商標), AKS(同))と呼ばれるもうひとつの特許技術により、目的のキーを指でタッチするだけで確実に操作することができる。AKS(商標)を使ったガードチャンネル機能により、隣接するキーの誤作動をなくすことができる。このデバイスは、電源投入時に自動的に再調整を行ってタッチスクリーン表面に蓄積した水分その他の汚染物質による影響を補正できるので、長期的な信頼性も確保できる。各キーの感度はホストで設定可能。
ユーザーがそれぞれ対応する入力操作を行うとホストがスリープまたはウェイクアップするホストウェイクアップ機能も省電力機能のひとつである。予備のICピンを使えば、それ以外のGPIO(汎用I/O)拡張も実現することができる。
AT42QT1060は、厚さが最大3ミリのガラス製またはプラスチック製などの絶縁パネルで動作する。電極は銅、銀、炭素、インジウムスズ酸化物(ITO)もしくはオーガコン(Orgacon)導電性インクで作ることができて、必要なサイズは6x6ミリ以上。さまざまなサイズや形状の電極に対応できるこの製品は、ユーザーインタフェースに合わせた大きな設計柔軟性を実現する。
▽価格および出荷時期
省スペース型4x4ミリ・パッケージ仕様のAT42QT1060サンプルはすでに発売中。各部品の年間10万個の量産単価は0.89ドルから。デモボードも発売中。
▽アトメルについて
アトメル(Atmel)はマイクロコントローラー、先端ロジックLSI、ミックスドシグナルLSI、不揮発性メモリー、ならびに高周波(RF)部品の設計製造の世界大手。アトメルは、業界で最も広範囲に及ぶ知的財産権(IP)技術ポートフォリオを活用することによって、消費者向け製品、産業用製品、セキュリティー、通信、コンピューティング、自動車の各市場に特化した完全なシステムソリューションをエレクトロニクス産業に提供することができる。
同社のタッチ技術部門(旧社名:クアンタム・リサーチ・グループ)では、PC、家電製品、自動車向けアプリケーションのほか携帯電話やエンタテインメント市場の各種アプリケーションに対応した専用のタッチセンスコントローラーを提供している。
アトメル(Atmel、登録商標)、社名ロゴおよびその組み合わせはアトメルまたはその子会社の登録商標、QTouch(商標)、QMatrix (同)、AKS(同)その他はアトメルまたはその子会社の商標である。それ以外の用語および製品名は、他社に商標登録されている可能性がある。
詳細情報: その他のアトメル製タッチセンサー製品に関する情報はウェブサイト参照 http://www.qprox.com
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- [電子・半導体]アトメル社、タッチコントロールチップ発表 2008/09/16 火曜日