べーリンガーインゲルハイム、犬の心不全に注意を
【バンクーバー31日PRN=共同JBN】犬を長生きさせる希望を与える新しいQUEST試験の研究結果が明らかになった。
最近発表された世界的な研究は、自分の飼い犬に心不全の危険があることを飼い主の半数は認識していないことを示している。7歳以上の犬の4分の1が心臓病にかかっており(1)、この深刻な生命を脅かす病気についての知識が欠如しているため、この病気を知る方法、飼い犬の心臓の健康を維持する方法について飼い主をもっと教育する必要がある。
こうした統計は、犬のうっ血性心不全についての一般の理解を高める必要が非常に大きいことを示唆している。この病気を知り、用心しなければいけない飼い犬の兆候を知っている飼い主が多くなれば、もっと早く心不全に気づいて治療することができ、タイムリーな投薬で犬がより長く、より快適に生きられるようにできる。
新しいデータは第29回世界獣医会議でも報告され、粘液腫様変性僧帽弁疾患(MMVD)と呼ばれる病気が原因で起きるうっ血性心不全の犬をピモベンダン(商品名ベトメディン登録商標)で治療すると、通常使われるACE阻害剤による治療より長生きすることを示した(3)。うっ血性心不全の犬を対象に行われたこの種類で最大の国際研究であるQUEST試験の結果は今年中に「ジャーナル・オブ・ベテリナリー・インターナル・メディシン(JVIM)」に掲載される。
粘液腫様変性僧帽弁疾患(MMVD)は犬のうっ血性心不全の約75%を占めている(2)。MMVDは僧帽弁(心臓内の主な一方通行弁の1つ)の先端の肥厚と関連しており、心臓から体内への血液の流れに影響を与える。MMVDが原因のうっ血性心不全には治療法がないが、症状管理の治療薬はあり、犬の生活の質と寿命を改善することができる(2)。
QUEST試験の首席研究員であるウプサラ大学(スウェーデン)のイェンス・ハッグストレーム教授は「QUEST試験は、ピモベンダンがうっ血性心不全の効果的な治療薬であり、犬の寿命を延ばし、ペットと飼い主に一緒に過ごせる質の高い時間をより多く提供することを示す魅力的な証拠があることを獣医と犬の飼い主にあらためて保証するためのわれわれの努力にとって重要なマイルストーンである」とコメントしている。
QUEST試験は無作為方式、陽性対照のマルチセンター試験で、11カ国の28カ所で行われ、動物心臓学で行われたものとしてはこの種類で最大の研究である。この研究ではピモベンダン治療グループと、利尿剤治療の背景がある犬に対する塩酸ベナゼプリル治療グループで比較した。試験は3年間にわたって行われ、死亡、安楽死、治療の失敗による試験からの除外に至るまで犬をフォローした(3)。
▽べーリンガーインゲルハイム
べーリンガーインゲルハイム・アニマルヘルスとべーリンガーインゲルハイム・ベトメディカはべーリンガーインゲルハイム企業グループに属している。べーリンガーインゲルハイム・グループは世界の20大医薬品会社の1つである。本社はドイツのインゲルハイム、47カ国に135の系列会社があり、従業員3万9800人で、世界的に活動している。1885年の創立以来、一族所有の同社は人間、動物用の治療価値が高い新製品の研究、開発、製造、販売に従事してきた。
2007年のべーリンガーインゲルハイムの売上高は約110億ユーロを計上し、最大の事業部門である処方薬の売上高の5分の1を研究、開発に支出した。
動物健康事業は米国、カナダ、フランス、ドイツ、英国、イタリア、スペイン、メキシコ、北欧諸国、日本、中国を含む20カ国以上で行っている。1955年以来、べーリンガーインゲルハイム・アニマルヘルスは安全な栄養食品の適切な供給に寄与し、人間と動物のきずなから生まれる情緒面、肉体面の利点を推進している。
詳しい情報はhttp://www.boehringer-ingelheim.comへ。
(注)この調査は2008年5月にオーストラリア、カナダ、フランス、ドイツ、英国、米国の犬の飼い主1531人を対象に実施された。主な結果は次の通り。
―回答者の80%は飼い犬を「家族の一部」だと答えた。
―回答者の81%は獣医から受けた助言を守っている。
―回答者の49%は自分の犬がかかるかもしれない病気、症状について「よく理解している」とは考えていなかった。
このプレスリリースはドイツのべーリンガーインゲルハイム本社発表のものである。ライセンス使用を含む特定の医療情報については国によって違いがあることを認識してほしい。この文書で提供される情報に触れる場合はこの点を考慮してほしい。このプレスリリースは米国内での配信を意図していない。
前後の記事
記事バックナンバー
- [生活・トレンド]べーリンガーインゲルハイム、犬の心不全に注意を 2008/07/31 木曜日