ペプシコの第2四半期、売上高、利益とも2桁増
【パーチャス(米ニューヨーク州)23日PRN=共同JBN】ペプシコ(NYSE:PEP)は23日、純売上高14%増、営業利益の伸び12%増という2008年第2四半期の決算を発表した。1株当たり利益(EPS)は1・05ドルとなった。配賦不能企業支出を含むコモディティー・ポジションにおける現年度および前年度の値洗い利益を除くと、EPSは11%増の1・03だった。
▽ペプシコ2008年第2四半期と年度累計業績(増加率、単位%)
第2四半期 累計
販売量 5 4・5
売上高 14 14
事業部門営業利益 7 8
営業利益 12 11
純利益 9 7
EPS 13 10
値洗いを除くEPS 11 10
ペプシコのインドラ・ヌーイ会長兼最高経営責任者(CEO)は「当社の世界的ポートフォリオと地理的足がかりの強さと大きさが、堅実な決算の新たな四半期をもたらした。ペプシコは主として強力な商品改革、適切な価格決定、支出抑制と生産性の重視を通じて、世界的なスナックと飲料事業全体で成長を牽引し続けた。われわれは上半期の業績を誇りに思い、挑戦的なマクロ経済環境の中で見通しを示す有利な立場にある」と語った。
▽事業部門別第2四半期業績(増加率、単位%)
販売量 売上高 営業利益
PAF 2 16 13
FLNA 2 8 8
QFNA 2 4 4
LAF 4 41 38
PAB -1 1 -7
PI 10/13* 25 18
英国/欧州 8/20* 24 19
中東/アフリカ/アジア 13/10* 25 16
ペプシコ全体 4/5* 14 7
*はスナック/飲料
▽事業部門別年度累計業績(増加率、単位%)
販売量 売上高 営業利益
PAF 3 15 10
FLNA 2 8 6
QFNA 1 6 5・5
LAF 5・5 39 33
PAB -1 3 -1
PI 10/13* 25 20
英国/欧州 8/22* 24 19
中東/アフリカ/アジア 14/10* 27 22
ペプシコ全体 4/4* 14 8
*はスナック/飲料
ペプシコ・アメリカス・フーズ(PAF)の決算は、困難なマクロ経済状況と急騰している商品コストにもかかわらず、事業の全部門で堅実なトップラインとボトムラインのパフォーマンスを反映した。
北米フリトレイ(FLNA) 商品価格の高騰を相殺するため減量と記載価格によって1桁上位の正価値上げが行われたにもかかわらず、ペプシコの強力なブランドは販売量で2%増を実現した。FLNAの売上高8%増は広い基盤で実現し、純売上高の伸びと生産性に牽引されて営業利益は8%増となって、食用油、エネルギー、燃料のコスト高を部分的に相殺した。
販売量の伸びは商標製品のチートス、ラフルズ、クエーカー・チューイー・グラノーラ、サンチップスの2桁成長に牽引された。チートス(例えばクラッカー・トラックス)とサンチップスの両製品はイノベーションが鍵となり、新しいフレーバーを導入し、「メード・フロム・ザ・サン」キャンペーンで支援された。減量とポテト供給制限の監視支援への移行推奨によって、商標製品レイの販売量は1桁上位の減少につながったが、売上高は1桁上位に伸びた。シングルサーブ・パッケージが引き続き販売量の伸びにつながった。
北米クエーカーフーズ(QFNA) クエーカー・オートミール、グリッツ、ライス・ア・ローニの増加を反映して販売量は2%増となった。売上高と営業利益は4%増となった。
第2四半期の終わりの時点で、アイオワ州シーダーラピッズで発生した水害によって、主要なクエーカー製造施設が閉鎖に追い込まれた。同社は8月中旬までに完全な製造レベルにまで回復すると見込んでいるが、供給面の混乱が起こり、多くのクエーカー製品が配分された。下半期における資産の損害と事業中断の被害をカバーする保険料支払いがある見込み。
中南米フーズ(LAF) LAFの有機的な売上高と利益は、商品コストの高騰にもかかわらずそれぞれ10%と21%増加した。売上高の伸びは主要事業であるサブリタスとガメサで広範な価格改定活動で牽引された。サブリタス部門の販売量は1桁中位の伸びとなり、主として減量が理由で予測通り1桁下位までキロ当たり販売量が落ちた。またガメサは予想通り、有利な価格活動が理由で2桁の売上高増加を見た。販売量は前年の2桁増と重ねると基本的に横ばいだった。総じて、LAFの販売量は2007年第4四半期にブラジルのラッキー・ブランドを買収したことが有利に作用した。
ペプシコ・アメリカス・ベバレッジ(PAB) 北米においては、景気減速が清涼飲料分野を引き続き圧迫し、コンビニエンス販売経路の減衰と味付けされていない飲料の伸びの減少を伴った。このような環境の中で、PABの販売量は同四半期に1%減となり、北米では3%まで減少してこれが中南米の1桁半ばの販売量の増加を部分的に相殺した。この結果、純売上高は1%増、営業利益は7%減となった。
北米の炭酸ソフトドリンク(CSD)・製品ポートフォリオは、調査された各販売経路で市場を拡大した。CSDは順次改善を示しているが、販売量はソフトネスの分野に起因する2%減となった。商標製品のマウンテンデューとシエラミストの両製品は1桁下位の伸びとなり、商標製品ペプシの1桁中位の減少を部分的に相殺した。非炭酸飲料(NCB)の販売量は、主として非味付け飲料の2桁減のため4%の減少となった。同社北米のエネルギー飲料の販売量増加は、エイ・エム・ピィ・エナジーの3桁の増加とソー・ビー・エナジーウォーターに主導されて、ジュースの1桁中位の減少を部分的に相殺した。ゲータレードの販売量は同四半期に僅かに増加した。
同社中南米飲料事業(LAB)は強力なトップラインとボトムラインの成長を継続した。LABの広範な販売量の伸びは、CSDポートフォリオの1桁中位の伸びとNCBの2桁の伸びに牽引された。
ペプシコ・インターナショナル(PI)は、前年の20%余りの売上高増と30%余りの利益増に重ねて強い実績を生み続けた。PIはその市場を通じて価格活動の実施を続けながら広範な基盤でスナックと飲料の販売量の増加を実現した。
英国/欧州(UKEU)部門では、8%という広い基盤のスナック販売量増加が、ロシアでの2桁成長とポーランドでの1桁上位の成長によって牽引された。
さらに、英国のウォーカーズは1桁中位の率で成長した。ブルガリアのペネローパ・ナッツとシーズの買収は、スナック販売総量で1ポイント増となった。UKEU飲料の販売量は、主としてサンドラ買収とペプシ・インターナショナル合弁事業の拡大を反映して20%成長し、同時に販売量の伸びに17パーセント・ポイント貢献した。UKEUの純売上高は24%増加した。それは主として主要市場における販売量の伸びと有効な正価法を反映している。また為替が11パーセント・ポイント、買収が4パーセント・ポイントまで伸びに貢献した。営業利益は純売上高の伸びに牽引されて19%成長し、部分的に商品コスト増を相殺し、為替が成長に9パーセント・ポイント、買収が4パーセント・ポイントそれぞれ貢献した。
中東/アフリカ/アジア(MEAA)部門のスナック販売量は13%増となったが、これは主として中東、インド、南アフリカ、中国における2桁成長が主導する広範な基盤の伸びを反映している。CSD販売量は1桁上位の伸び、NCBは2桁成長を実現した。スナックと飲料の純売上高は25%伸びたが、これは販売量増加と有効な正価法を反映し、純売上高の伸びには為替が6パーセント・ポイント、買収が4パーセント・ポイントそれぞれ貢献した。営業利益は売上高の増加の結果として16%増となり、部分的に商品コスト増を相殺し、営業利益増には為替が4パーセント・ポイント貢献した。
▽EPSの伸びに貢献した商品時価評価利益
この四半期の配賦不能の企業支出は、前年との比較で7100万ドル減少した。これは主としてコモディティーヘッジにおける値洗い利益(前年の1300万ドルに対してこの四半期の6100万ドル)の増加に起因する。この総額4800万ドルの時価評価の変化を除くと、配賦不能の企業支出は前年との比較で2300万ドル減少した。これは主として従業員関連コストの低減によって牽引され、同社の事業変革活動への継続的投資と研究・開発における投資増によって部分的に相殺された。
純利子支払い額は2100万ドル増加した。同四半期の計上税率は前年の26・5%に対して26・7%となった。
為替相場は同社にとって、売上高の伸びに4パーセント・ポイント、営業利益のそれに3パーセント・ポイント貢献した。買収は売上高の伸びに3パーセント・ポイント、営業利益のそれに1パーセント・ポイントそれぞれ貢献した。
▽2008年ガイダンス
同社は2008年年度の業績が販売量で3-5%増、2桁下位の純売上高増(買収と為替を含めて)、時価損益のすべての影響を除外して少なくとも3・72ドルのEPSになると予測している。同社は商品価格の将来的変動の予測がしにくいことからコモディティーヘッジにおける時価損益の影響を除いて、予測される2008年のEPSの伸びについてガイダンスを提供することができない。
営業活動による現金収入は約76億ドル、設備投資は約270億ドルになると予測している。同社は2008年、市場の条件次第であるが自社株を少なくとも53億ドルで買い戻る意向である。これは同年に自社株購入で43億ドル支出するとの前回の発表より少なくとも10億ドルの増加となる。同社は第2四半期末の時点で、2008年の自社株買い戻しに29億ドル支出している。
▽ペプシコについて
ペプシコ(NYSE:PEP)は世界最大手の食品・飲料会社で、2007年の年間売上高は390億ドル余り。世界で約18万5000人を雇用し、その製品は約200カ国で販売されている。同社主要業務部門はスナックのフリトレイ、飲料のペプシコーラ、スポーツドリンクのゲータレード、トロピカーナジュースとクエーカーフーズなど。同社商品ポートフォリオは18ブランドに達し、それぞれが年間小売り販売で10億ドルを超える。「目的意識を持ったパフォーマンス」として定義されているペプシコ社の持続的成長へのコミットメントは、健全な収益を生み出すとともに、サービスを提供している地域社会への利益還元を重視することである。これには各種コンビニエンス食品と飲料に対する消費者のニーズに応え、水、エネルギー、パッケージング活動を通じて環境への影響を軽減し、世界クラスの優秀な人材を採用、保持する多様かつ総合的な社風を通じた社員への支援が含まれる。同社はダウ・ジョーンズの北米サステナビリティー指数とワールド・サステナビリティー指数の構成銘柄になっている。さらに詳しい情報はwww.pepsico.comまで。
▽その他ディスクロージャー
電話会議:23日午前11時(東部時間)に同社は2008年第2四半期の業績と2008年通期の見通しについて討議するため投資家との電話会議を開催する。詳細は同社ウェブサイト(www.pepsico.com)の投資家セクションにある財務プレスリリースを参照。
調整:同社は財務諸表とガイダンスの協議に当たって、非GAAP(米一般会計原則)の数値を挙げることがある。非GAAP数値と発表された財務報告書との調整は同社ウェブサイトwww.pepsico.comの投資家セクションにある財務プレスリリースに掲載されている。
ボトラー・ボリューム:ペプシコのボトラーから販売される製品販売量は、北米の4月と5月、北米以外の海外の同社ボトラーの3、4、5月について、月間ベースでペプシコから報告される。
ボトラー・ケース・セールス(BCS):BCSはペプシコと同社ボトラーの双方から小売業者と独立販売業に出荷される物理的な飲料販売量である。
集中出荷相当(CSE):CSEはボトラー、小売業者、独立販売業に対するペプシコからの物理的な飲料販売出荷量である。
有効な正価法:これはミックスと価格を合わせた影響を言及している。正価法は定価(表示価格)の変更、割引き、引き当てを結合した影響を言及する。値決めは定価の変更を言及する。
値洗い損益:われわれが消費するエネルギー、原材料のコストの不安定を緩和するため購入する商品契約など、金融商品に対する市場価値の変動のこと。市場価値は国内取引での平均価格と市場における最近報告された取引に基づいて決定される。
有機的な売上高、利益の両方といずれか一方の伸び:為替取引と買収/売却活動の影響を除く成長。
事業部門の営業利益:配賦不能企業支出の影響を除き、同社の会計報告にある部門別の営業利益の総額。
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- [国際情報]ペプシコの第2四半期、売上高、利益とも2桁増 2008/07/25 金曜日