ガルデルマのにきび薬「ディファリン」、日本で承認
【ローザンヌ17日PRN=共同JBN】皮膚病に集中している世界的な特殊医薬品会社のガルデルマ・ファーマ(Galderma Pharma S.A.)は17日、日本の厚生労働省がにきび(尋常性ざ瘡)治療薬として新しい局所治療薬のディファリン(登録商標)ゲル0・1%(アダパレン)を承認したと発表した。この医薬品は日本ではガルデルマの全額出資日本法人であるガルデルマ株式会社と戦略的提携パートナーの塩野義が販売する。
ディファリンは約15年前から販売されており、現在は80カ国以上で販売されて2200万人以上の患者(1)にとって重要な治療薬となっている。今回の承認は世界2位の医薬品市場である日本でのガルデルマのプレゼンスを強化することになる。承認は日本以外での登録の際に認められたこの製品の効能と安全性を立証する非臨床研究および臨床研究と、600人以上の日本人患者を含む2つの第3相研究を含む日本での臨床開発計画に基づいている。
200人の日本人患者を治療する12週間の研究(2a)は、ディファリン・ゲル0・1%による治療が賦形薬治療に比べ炎症性損傷、非炎症性損傷を大幅に減少させ、一部の患者ではわずか1週間の治療で効果を感じたことを示した(2b)。400人以上の患者を対象とする12カ月の長期安全性研究(3)は、この治療薬が安全で長期的に使用しても効能があることを示した(3b)。
臨床試験の首席研究員である東京女子医大皮膚科の川島真博士は「最近の3つのアダパレン研究の全体的な結果は、日本人のにきび患者に対するアダパレン・ゲル0・1%の安全で効果のある使用について実質的な証拠を伴う根拠を提供するものだ。日本で局所レチノイドが使用できることは、にきび患者の治療法のカスタム化、治療結果の改善についての柔軟性を増大させるだろう」と語っている。
ガルデルマと塩野義は両者間の合意に従って、
ディファリン・ゲル0・1%をそれぞれの販売網を通じて共同販売し、塩野義は8年間にわたりこの製品の販売、供給権を持つ。商業化はこの製品が国民健康保険償還リストにされたとき始まるが、この手続きは2008年秋までに完了の見込みである。
ガルデルマ・インターナショナルのフンベルト・C・アントゥネス最高経営責任者(CEO)は「日本の厚生労働省の決定は日本の患者、医師にとって素晴らしいニュースであり、にきび治療のためにこのクラスで初の局所レチノイドにアクセスできるようになる。わが社は最大のにきび治療計画を日本で実行し、承認までの道のりは長いことを知った。このプロジェクトは世界のあらゆる場所における皮膚病治療へのガルデルマのコミットメントと日本におけるにきび患者の生活の質の改善に対する献身を強調するものである」と述べた。
ディファリン・ゲル0・1%はナフタエ酸誘導体でレチノイドのような活性を持つ(2c)。ディフェリンはこの治療クラスに属するものでは日本で発売される初の製品となる。ディフェリンはにきびと関係のあるタイプの皮膚細胞の分化を正常化して非炎症性損傷、炎症性損傷を減少させるとみられている(2c)。
▽にきびについて
にきび(尋常性ざ瘡)は世界で最も広く経験されている慢性の皮膚疾患である。近年の研究でこの疾患の病因についての理解が広がっている(4)。思春期の開始とともに障害が始まり、皮膚の脂腺(皮脂腺)上のホルモンの活動から汗腺が詰まって斑点が生じると考えられている(5)。治療に対する反応が多様なため治療が難しくなることがある(2d)。
▽ガルデルマ株式会社について
ガルデルマの全額出資日本法人であるガルデルマ株式会社は1996年に設立された。2002年から杏林製薬とのライセンス契約によって局所抗菌製品のペキロン(Pekiron=登録商標)クリーム0・5%(ロセリル=登録商標)を販売している。ディファリン・ゲル0・1%の日本への導入にともない、ガルデルマ株式会社は日本人にきび患者の治療結果と生活の質の向上を目標として、医師、薬剤師、医療機関への包括的な科学情報の提供を目指している。
▽ガルデルマについて
ネスレとロレアルの合弁事業として1981年に設立されたガルデルマは完全統合の特殊医薬品会社で、皮膚科分野だけに専念している。65カ国に約1000の医療販売代理店を持ち、にきび、酒さ(鼻、額、ほおにできる慢性の皮脂腺炎症)、爪真菌感染症、乾癬とステロイド反応皮膚病、色素障害、皮膚がん、皮膚老化への医学的ソリューションを含む一連の皮膚病を治療する幅広い製品ラインで皮膚の健康の向上にコミットしている。フランスのソフィアアンティポリスに中心的な研究開発センターを持つガルデルマは皮膚科専門の最大の研究開発施設の1つを持っている。有力な皮膚病薬のブランドはディファリン、メトロジェル(登録商標)1%/ロゼックス(登録商標)オラセア(登録商標)クロベックス(登録商標)トリルーマ(登録商標)ロセリル(登録商標)セタフィル(登録商標)など。最近発売された製品は、米国での皮膚科処置のための局所麻酔薬プリアグリス(登録商標)、欧州、アルゼンチンでのにきび治療用の革新的な配合薬エピドゥオ(登録商標)、ブラジル、アルゼンチンでの麻酔医療、皮膚科処方用の注入可能な筋肉弛緩剤ディスポート(登録商標)など。同社の国際ウェブサイトはhttp://www.galderma.com。
ディファリン、メトロジェル、オラセア、ロゼックス、トリルーマ、ロセリル、セタフィル、エピドゥオはガルデルマの商標。プリアグリスはザース・ファーマ社の商標。ディスポートはイプセン社の商標。
前後の記事
記事バックナンバー
- [医療機器]ガルデルマのにきび薬「ディファリン」、日本で承認 2008/07/18 金曜日