将来的住環境のモデル・ルーム、北欧のベルックス社が発表
【ホシュロム（デンマーク）１４日ＰＲＮ＝共同ＪＢＮ】デンマークのベルックス（Ｖｅｌｕｘ）社はコンセプト名「モデル・ホーム２０２０」による将来の住環境に向けたビジョンを開始した。同社はこのコンセプトで、新鮮な空気と自然の日光に満ちた、気候に左右されない建築と快適な屋内の実現を目指している。
今日の欧州連合（ＥＵ）諸国においては、生活の時間の９０％を屋内で過ごしており、それら建物の中では総エネルギー消費量（注１）の４０％以上にもなる。そしてこれら建物の３０％までが、健康的な屋内気候とは無関係もしくは寄与していない（注２）。
これらの数字は、ベルックスが将来における建物の建設を考える際にかなりの問題点を付加する。同社は持続的な建物の開発に積極的に関係する戦略を立て、生活を快適さを高めるとともに、最も意欲的な規制上の基準を満たすため建物のエネルギー消費量を減らす建築設計への革新的かつ競争力あるアプローチを追求する。同社は持続的な生活を伴う気候に左右されない建築に向けて、新しいアイディアと専門的パラメーターを通じてこれらの問題点を取り上げる。
これらアイディアは、異なる気象条件、文化、建築上の諸条件を反映し、対応する６つの現実生活上のユニークな実験によってテストされる。ベルックスはアイディアをテストする諸実験を行うという長年の社風がある。同社創業者で創業時から同社とともに歩んできたビルム・カン・ラスムッセン氏は「われわれの実験は数千人の専門家の見方より優れている」と語った。
同社のミケル・Ｋ・ラスムッセン最高経営責任者（ＣＥＯ）は「われわれは将来の住環境についての考え方を開発、実験して、さまざまな実験によるアイディアを実現したい。モデル・ホーム２０２０はそのような実験の当社フレームワークである。それぞれの実験はわれわれのビジョンに一層近づくものであり、気候に左右されず、最適の屋内気候を生み出す環境に弾力的に適合する住宅を実現する」と語った。
住宅は完成後６－１２カ月間公開され、その後居住してもらう。エネルギー消費と屋内気候条件は使用中ずっと監視される。このモニタリングが実験の完了である。６つの住宅は以下のように設置される。
２００９年：デンマーク（コペンハーゲンとオルフス）、オーストリア
２０１０年：フランス、英国、そしてドイツ
デンマークと英国の住居は、ファサード・ウインドーを製造する子会社ベルファック（ＶＥＬＦＡＣ）との協力で建てられる。
ベルックス社は屋根からの日光と新鮮な空気でより良い住環境を作り出す。同社の製品プログラムには平屋根のソリューションと広範な天窓、スカイライトが含まれる。同社はさらに各種の装飾、サンスクリーン製品、ローラーシャッター、取り付け製品、リモコン用製品、屋根に設置する太陽電池パネルを提供する。同社は１０カ国に製造企業を、４０カ国以上に販売企業を持っており、世界の建材部門では有数の強力ブランドであり、その製品は世界のほとんどの場所で販売されている。ベルックス・グループは約９５００人の従業員を雇用し、ＶＫＲホールディングが所有している。ＶＫＲホールディングは財団法人と家族が全額出資している有限責任会社。詳細はウェブサイトhttp://www.velux.com参照。
ベルファック社はいくつかの欧州市場向けにユニークなウインドーとファサード・システムを製造しており、６カ国で１０００人以上の意欲的な従業員を雇用している。同社は主として北欧にある市場で１５億デンマーク・クローネ余りを売り上げている。同社ビジョンは人びとに生活と光、新鮮な空気を持ち込むことである。同社は耐用年数が長く、あらゆる設計と製造局面での最も厳しい環境要求に適応する各種ウインドーを製造する。同社製品は環境宣言付きで供給されているが、それはウインドーの製造、使用、廃棄における環境に与える影響に関する正確な記録を付けて製造されることを意味する。
ベルファックはベルックスも傘下にあるＶＫＲグループの一部である。ＶＫＲグループは持続的な成長を続けており、現在は４０カ国以上で約１万５０００人を雇用している。
注１DIRECTIVE 2002/91/EC OF THE EUROPEAN PARLIAMENT AND OF THE COUNCIL of 16 December 2002 on the energy performance of buildings
注２Jon Ayres, Occupational Medicine 2005;55:417-418 doi:10.1093/occmed/kqi134
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- ［建築・土木］将来的住環境のモデル・ルーム、北欧のベルックス社が発表 2008/07/14 月曜日
