ベトナムで糖尿病検査拡大、IDFが資金提供
【ブリュッセル、ハノイ15日PRN=共同JBN】国際糖尿病連合(IDF)BRIDGESトランスレーショナルリサーチ(臨床応用)援助計画は、ベトナムで2型糖尿病にかかるリスクの高い人の検査機会を拡大し、健康的なライフスタイルの実行を奨励する計画を促進するパイロット研究に資金を提供する。
国立内分泌科病院(NHOE)がベトナムのビン市でこの研究を開始する。糖尿病リスク質問票[1]を使って、研究員はプレ糖尿病、糖尿病のリスクが高い30歳-64歳の人を特定したいと望んでいる。この検査に共同体の認識、健康的な生活を推進する計画を組み合わせている。
IDFの糖尿病アトラスによると、ベトナムではほぼ130万人が糖尿病にかかっており、このほかに2型糖尿病を発症するリスクが高い人が110万人いる。20年以内にこの数は劇的に増加する。その時までにベトナム人の糖尿病患者は250万人に達し、このほかに190万人が糖尿病にかかるリスクが増大するとみられている[2]。
糖尿病のリスクがあるとわかった人は3カ月間の教育セッションでライフスタイル-食事、運動、定期的な検査-を変えるよう教えられる。この研究はすべての要因の評価を行い、これがベト
ナム農村地帯で糖尿病を予防する効果的な手段であることを証明する計画である。
国立内分泌科病院長、国立糖尿病代謝管理研究所長のタ・バン・ビン教授は「健康的なライフスタイルが2型糖尿病予防の最も有効な手段であることは証明されている。世界、特にベトナムのような途上国で疫病のような規模で増大しているこの病気のリスクがある人が健康的なライフスタイルを身につけることが不可欠だ。このプロジェクトはわれわれの機関が糖尿病予防についての認識を高め、2型糖尿病は健康的なライフスタイルで予防できることを共同体に納得させるための最高の機会だ」と語った。
IDFはBRIDGESを通じて、研究結果を健康管理提供者が質の高い介護、サービスを提供するための有益な行為に応用することにコミットしている。ベトナムの糖尿病検査、予防計画は、その革新性、健康管理コスト節約の可能性があること、持続的な計画であること、結果がほかの状況でも広く応用できる機会があることによって、ほかの10件のトランスレーショナルリサーチ・プロジェクトともに援助対象に選ばれた。
IDF・BRIDGES審査委員会のリンダ・シミネリオ委員長は「世界で約2億5000万人が糖尿病にかかっており、この病気はいまや世界的な疫病だ。検査、診断、教育を行う国立内分泌科病院の研究はベトナムにおける糖尿病との戦いの重要なステップだ。われわれすべてが今行動すればこのまん延の流れを逆転できる」と述べた。
IDFはイーライリリー社からの教育資金援助でBRIDGESを独自に運営しており、世界で糖尿病の介護、予防、治癒を促進することにコミットしている。
(注)IDFは約2億5000万人にのぼる世界の糖尿病患者のための世界的な擁護組織である。160カ国以上にある約200の糖尿病協会の代表組織である。その任務は世界で糖尿病の介護、予防、治癒を促進することである。IDFは世界保健機関(WHO)と公式関係のあるNGO(非政府組織)で国連広報部の提携NGOである。IDFは「世界糖尿病デー」キャンペーンを指揮している。詳しい情報はwww.idf.orgへ。
BRIDGESはIDFの世界的なトランスレーショナルリサーチ援助計画である。糖尿病の予防と管理のために現実世界で採用できるようなコスト効率のよい持続可能な方法をサポートする提案を募集している。応募するプロジェクトは、糖尿病の予防と治療、1型、2型の糖尿病の介護の改善、合併症の発症遅延に効果があることがすでに試験で証明されている方法に基づいていなければならない。提案する方法は臨床行為、個人、共同体に広く普及する可能性があるものでなければならない。詳しい情報はhttp://www.idfbridges.orgへ。
国立内分泌科病院(NHOE)は1969年にハノイ市に設立された。ベトナムの主導的な内分泌科病院として、その任務には内分泌疾患患者に対する内分泌科の専門的治療、ベトナム全土の保健機関に対する臨床内分泌科の技術的支援、全国的な内分泌疾患の予防、研究と内分泌科の補助専門家の訓練が含まれている。
[1]IDFの2型糖尿病に関する世界ガイドラインによる検査、診断勧告に基づいている。
[2]糖尿病アトラス、IDF、2006年。
(共同通信PRワイヤー)
前後の記事
記事バックナンバー
- [国際情報]ベトナムで糖尿病検査拡大、IDFが資金提供 2008/05/15 木曜日