スイス再保険の第1四半期純益、前年同期比53%減
【チューリヒ6日新華・PRN=共同JBN】スイス再保険会社(以下、スイス・リー)の2008年第1四半期決算概容は以下の通り。
―1株当り利益は1・84スイス・フラン
―株主資本利益率は年率8・5%
―事業部門全般を通じて基本的に満足のいく業績
スイス再保険会社(以下、スイス・リー)は、2008年第1四半期の純利益が、前年同期比53%減の6億2400万スイス・フランとなったと発表した。この減少は収拾のめどがつかない金融市場の混乱が原因であり、ランオフとなった2つの単一ストラクチャード・クレジット・デフォルト・スワップ事業で8億1900万スイス・フランの追加評価損をもたらした。第1四半期の損害保険事業および生命・医療保険事業は、予想を超える損害請求にもかかわらず、共に満足のいく業績を達成した。1株当り利益は1・84スイス・フラン、株主資本利益率(年率)は8・5%となった。
スイス・リーの2008年第1四半期の純利益は6億2400万スイス・フランになった。1株当り利益は前年同期比52%減の1・84スイス・フランに留まった。株主資本利益率は2007年の第1四半期が17・1%%だったのに対し、年率換算で8・5%だった。
株主資本は2007年12月31日と比較して13%減少し、278億万スイス・フランとなった。これは、スイス・フランに対する米ドル安、投資ポートフォリオへの値洗いの影響、また継続的な自社株買戻しによるものである。1株当り簿価は、10%減の83・26スイス・フランに留まった。この四半期に、スイス・リーは10億スイス・フランの自社株買戻しをおこなった。また2008年5月2日までに、目標とする総額77億5000万スイス・フランの自社株買戻しのうち43%強を実施している。
損害保険事業は引き続き堅調な業績を維持。営業利益は、2007年第1四半期と比べ6%減の13億スイス・フランに留まった。12億スイス・フランという安定した運用成績に加え、賠償責任保険が好調だったことが主因である。コンバインド・レシオは、前年同期を3・1%ポイント上回る96・9%となった。これは主に財物保険事業が人災の増加と保険料ボリュームの減少の影響を受けたためである。
生命・医療保険事業の営業利益は4億4900万スイス・フランに留まり、きわめて好調だった2007年第1四半期と比較して45%減少した。2007年に買収した変額年金および長寿ビジネスを扱うアドミン・リー(登録商標)が業績に寄与したが、一方で投資の純損失により一部相殺された。
フィナンシャル・マーケッツ事業は14億スイス・フランの営業利益を計上し、投資収益率(年率)は前年同期比で0・4%ポイント増の5・8%となった。市場環境が総じて困難な状況にある中、2つのストラクチャード・クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)事業のランオフにより、第1四半期は8億1900万スイス・フランの追加評価損を計上した。この事業はランオフとなったが、グループは原証券の市場価格の変動により現時点そして将来的にも引き続き影響を受けることになる。
スイス・リーの最高経営責任者、ジャック・エイグレイン氏は「金融市場の混乱が続く中でも、これまでどおり当社の収益力と株主への配当を最大限にする能力に自信を持っている。当社の資本基盤は強固であり、保険関連ポートフォリオは健全である。困難な状況に直面しているもの、準備は万端で引受け業務の質、慎重なリスク選択、そして経済面の利益成長に鋭い焦点を当て、そこに注力していく」と語った。
スイス・リーは引き続き、1株当たり利益伸び率10%、株主資本利益率14%という目標を掲げていく。
2008年第1四半期業績発表と同時に、スイス・リーは経済価値マネジメント(EVM)に基づく2007年の業績も発表した。EVMはスイス・リーの統一経済指標であり、計画、価格設定および事業管理の重要な枠組みである。2007年EVM業績は下記http: //www.swissre.com/investorrelations を参照。
▽スイス再保険会社について
スイス再保険会社(略称:スイス・リー)は、世界をリードする極めて多角的な再保険会社である。当社は世界25カ国以上で事業拠点を展開している。1863年にスイスのチューリヒで創業されたスイス・リーは、事業や発展に付随するリスクを負うことを可能にする金融商品を提供している。伝統的な再保険商品と損害および生命・医療保険関連サービスは、包括的なリスク管理のための保険をベースにしたコーポレート・ファイナンス・ソリューションとその付加サービスによって補完されている。スイス・リーはスタンダー&プアーズから「AA-」、ムーディーズから「Aa2」、そしてA.M.Bestから「A+」の格付けを取得している。
スイス再保険会社は1913年からアジアとの連携を始め、現在ではアジア太平洋地域に900人を超える従業員を擁し、アジア本部を香港に置いている。2006年にはアジア太平洋地域で初めて事務所を開設してから50周年を迎えた。
(共同通信PRワイヤー)
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- [国際情報]スイス再保険の第1四半期純益、前年同期比53%減 2008/05/08 木曜日