三菱レイヨン、地下水膜ろ過システムのウェルシィを子会社化
三菱レイヨンは、アクア(水環境)事業の強化拡大を図るため、ウェルシィ(本社=東京都千代田区)の株式を取得し、連結対象子会社とすることを発表した。
ウェルシィは1985年に設立された、主に地下水を飲料水に変える地下水膜ろ過システムの設計、製造、販売及びメンテナンスを行う業界のパイオニア企業。地下水膜ろ過システムは、高度な膜ろ過処理により、地下水を安全・安心な飲料水に変える分散型水道システムで、現在、次世代型水道システムとして採用が進んでいる。
公共水道と併せ利用することで給水ライフラインの確保を補完。このことにより、災害時の事業継続性(BCP)を高め、地域住民への飲料水提供による社会貢献(CSR)を可能とする。同社は、日本国内の病院・介護施設、スーパー・百貨店、ホテル、工場など約1000件の導入実績があり、業界でトップシェアを有している。
三菱レイヨングループは、中空糸膜を用いた膜分離活性汚泥法(MBR)による下排水処理分野において、膜のトップメーカーとして、国内はもとより中国、韓国、ASEAN、中東等の成長市場への展開を加速する一方、上水分野においては、家庭用浄水器(商品名:クリンスイ)事業を展開している。ただ、従来、上水道分野への事業展開は中空糸膜の提供にのみ限られていた。
今回、ウェルシィの事業を傘下に収めることで、地下水膜ろ過システムをもって上水道分野への事業領域を拡大し、水処理事業全体を見据えたバリューチェーン構築を一段と進める事が可能となる。また、防災対応などで国内の各自治体が進めている国土強靭化施策及び上水供給設備強化への対応や、飲料水確保が課題となっている海外諸地域への事業展開が視野に入る事となる。
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- [海水・淡水]三菱レイヨン、地下水膜ろ過システムのウェルシィを子会社化 2013/11/05 火曜日