ドバイのテジャリが中国と貿易振興策を推進
【ドバイ3日PRN=共同JBN】中国・上海市で開催されたアラブ首長国連邦(UAE)・中国ビジネス経済協力フォーラムの場で市場精神は健在だった。新興市場向けB2B(企業間)オンライン市場であるドバイのテジャリ(Tejari)は、中国・中東間の歴史的交易ルートのかつての栄光と成功を復活させるため新しい「eシルクロード」(e-Silk Road)を開拓すると明言した。テジャリのフォーラムへの参加は、UAE首相兼副大統領兼ドバイ首長国首長のシェイク・ムハンマド・ビン・ラシード・アル・マクトゥーム殿下が中国へ率いたUAE高級貿易使節団の頂点となった。
フォーラムの中でUAEと中国のハイレベル当局者は、「eシルクロード」構想を推進するテジャリと中国ビジネスパートナー間の戦略的協力協定2件の署名に立ち会った。最初の協定は中国・チンタオ(青島)の大手不動産デベロッパー、インシェンタイ・グループ(YinShengTai Group)のレン・ジュン会長と合弁企業テジャリ・チャイナ(中国ブランド名:タ・ジア・イエ、Te Jia Ye)を設立し、2008年末まで中国全土で10余りの新オフィス開設に着手することを内容としたもの。もうひとつの戦略的契約は中国初でアジア最大の常設国際取引市場「上海マート」(ShanghaiMart=上海世貿商城)のヘンセン・ティエン・ゼネラルマネジャーとの間で取り決めたもので、輸出振興の促進と中東との繊維貿易の商業的リンクの強化を目的としている。
テジャリのオマル・ヒジャジ最高経営責任者(CEO)は、中国との取引の一層の増進を目指した4日間のハイレベル協議にUAEの有力企業使節団の1員として参加した。
ヒジャジCEOは「われわれの野心的計画はこの地域の成長ペースとエネルギーを反映している。われわれはUAEと中国の取引チャンスを醸成、促進する使命を果たすため、この初めての貿易使節団に参加することを極めて光栄に思う。テジャリの電子市場には中東最大のバイヤー・ネットワークが存在するので、中国企業は取引量の増大と相互作用を確保する当社独自のマッチメーク・取引技術の恩恵を享受できる」と語った。
中国企業はテジャリの市場にオンライン・ショールームを設定し、電子入札・競売に応札することにより電子商取引がもたらす製品のグローバルエクスポージャーから利益を得ることができる。テジャリが世界の新興市場間のリンクを強化することに成功したため、中国企業を中東の会員企業15万社に結びつける伝統的なシルクロード交易ルート構想を前進させることが可能になった。
テジャリのローカルオペレーションは、中国・チンタオの有力不動産デベロッパーであるインシェンタイ・グループとの事業提携を通じて実行される。インシェンタイ・グループは2003年の創立で、これまでに80万平方メートルを超える優良居住用・商業用不動産物件を建設している。
インシェンタイ・グループのレン・ジュン会長は貿易使節団の演説で「中国と中東との間には長年の取引関係が存在する。2000年も前の後漢王朝時代から世界的に有名なシルクロードは繁栄した。現在、中国は3年連続してドバイの第2位の貿易相手国であり、最大の輸入元となっている。テジャリのオンライン市場が提唱したeシルクロードは中国と中東の懸け橋となり、この地域において中国の貿易関係が栄えるのに役立つと考えている」と語った。
テジャリと上海マートの最初の取引提携関係は中国最大の輸出市場である繊維産業を重点に置いている。UAEと中国の貿易は昨年40%増の200億ドルに達し、このうち繊維製品が24億ドルを占めた。この提携関係では専用の取引コミュニティー・ポータル(www.ishanghaimart.com)を立ち上げるので、中国と広範囲の中東地域とともにドバイの貿易量を大幅に拡大することになろう。
上海マートのセラーは知名度を高め売上高を伸ばすために、ウェブサイト(www.ishanghaimart.com)を通じてテジャリが関係するUAEと新興市場に直接到達できる。さらに、この取引の一環としてテジャリは独自の「e対応訓練プログラム」(e-readiness training program)を展開し、上海のすべての会員企業が適切な訓練を受けてオンラインでビジネスを行うことを確実にする。このプログラムは参加企業に「e対応」(eReady=商標)証明書を発行し、上海地区のサプライヤーの能力開発とe対応に直接影響を及ぼすと予想される。
上海マート・ゼネラルマネジャーのヘンセン・ティエン氏は「この専用ポータルを通じて、上海マートの会員は国境を越えて世界中と直接取引リンクを持つことができるだけでなく、当社の2500の会員企業の取引を大幅に増大させるテジャリの専門知識からも利益を得ることができるだろう。さらに上海マートとテジャリの契約は、中国の22万を超える繊維メーカーと世界中のバイヤーを直接結びつける基礎を提供する」と語った。
テジャリのヒジャジCEOは「これらのビジネス契約が整ったので、テジャリは世界で最も急速に発展している経済のうちの2つの間の貿易を直接拡大するため、ドバイのイノベーションの精神を輸出するつもりだ。今や中国のセラーは中東市場に直接チャンネルを持っているので輸出効率を高めることができる。われわれはフォーチュン誌500社の新世代がUAEや中国などの新興市場から出現すると予想している。先端的電子商取引技術を新しい経済に適合させて、テジャリを商取引の将来への懸け橋として位置づける取引チャンスへのアクセスの向上、透明性の向上、取引コストの低減により企業に大きなメリットを与えたい」と語った。
UAE・中国サミット・プログラムの一環として、またこれら提携契約の締結を祝い、テジャリはUAEのシェイク・ルーブナ・ハリド・スルタン・アル・カーシミー経済相(対外貿易相)の後援を受けて、浦東シャングリラホテルでVIPレセプションを主催した。これにはUAEと中国代表団の高官が出席した。テジャリは中国のサプライヤー向けの輸出振興パッケージと今後数カ月間に中国で10余りのオフィスを開設する計画を発表した。テジャリは2008年中に10万の企業を集結させることを目指している。
ドバイ政府が立ち上げたテジャリは、ドバイ首長国の目覚しい経済成長に大きな貢献をした持ち株会社ドバイ・ワールド傘下の企業で最も成功した企業の1社である。テジャリの画期的なオンライン取引ポータルと訓練プログラムは世界中の企業・地域間の取引を促進し、新興市場全体のビジネスの電子商取引技術を高める役に立つ。テジャリはビジネスの世界が電子商取引で変容しているためいかなる企業も脱落させないことにコミットしている。
▽テジャリについて
テジャリは新興市場における有力なB2Bオンライン市場のひとつである。テジャリによってバイヤーとセラーは、確かなインターネット環境を経由して各種製品とサービスについて取引し、情報を交換することができる。テジャリはバイヤーとサプライヤーの開かれた、成長途上のコミュニティーに単一の接触点を提供し、取引参加者の新しい市場へのリアルタイムのアクセスとより大きなコスト削減を可能にする現金購入とオンライン・オークションを実現する。詳しい情報はウェブサイト(www.tejari.com)まで。
▽輸出振興パッケージ(EPP)について
輸出振興パッケージはオンラインとオフラインのサービスを組み合わせたテジャリの輸出振興サービスである。オンライン部分はEPPの会員企業が中東のバイヤーと直接取引することを可能にし、オフライン部分はサプライヤーであるメンバーが海外の調達展示会に出席して契約バイヤーと面談することを可能にする。
(共同通信PRワイヤー)
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- [国際情報]ドバイのテジャリが中国と貿易振興策を推進 2008/04/04 金曜日