ソニー、エレクトロニクス事業の改革案策定 集約や人員削減など
ソニーは、国内製造業再編と人員削減を柱とするエレクトロニクス事業の新たな構造改革案を策定した。厳しい経営環境のなかで、同事業の再生と成長を目指すのが目的。製造再編では、ソニーイーエムシーエスの各サイト(製造拠点)を統廃合する。
統廃合の具体策は、ソニーイーエムシーエスの美濃加茂サイト(岐阜県美濃加茂市)で行なっている交換レンズやレンズブロックの生産を、幸田サイト(愛知県額田郡幸田町)に集約する。この取り組みは、デジタルイメージング事業の製造オペレーションの一層の効率化を目的である。
また、携帯電話事業をスマートフォンへ集約するなかで、美濃加茂サイトで行ってきた携帯電話に関する一部の業務を終了し、一部を木更津サイト(千葉県木更津市)へ移管せる。これらにより、美濃加茂サイトは2013年3月末をもって収束する予定となる。
人員削減策については、社外への転進を支援する早期退職プログラムを実施する。これは、ソニーとソニーイーエムシーエスなど主要な国内エレクトロニクス系連結子会社が対象。2012年度内に合計約2000名の人員減を見込む。このうち、およそ半数の約1000名は本社を含む間接部門の人員と見込んでいる。
ソニーの本社部門においては、機能の統合や組織の簡素化を重点的に進め、今後実施する早期退職支援プログラムとリソースシフトを組み合わせることにより、今年度中に約2割の人員減を計画。
また、収益改善施策を継続的に進めているテレビ事業を含むホームエンタテインメント&サウンド事業本部においては、既に実施した人員の社外への転進及びグループ内へのリソースシフトにより、2012年10月末までに約2割の人員減を予定している。
なお、2012年9月末に完了したケミカルプロダクツ事業の譲渡により、約1800名がソニーグループ外に転出した。
この施策に基づく人員減と構造改革費用による2012年度連結業績への影響は現在精査中。既に発表している2012年度中の1万人の人員減及び750億円の構造改革費用見込みに含まれており、施策が2012年度の連結業績見通しに与える影響は軽微であると見込んでいる。
なお、2012年度の構造改革による、2013年度以降の固定費削減効果としては年間約300億円と見込んでいる。
前後の記事
記事バックナンバー
- [製造全般]ソニー、エレクトロニクス事業の改革案策定 集約や人員削減など 2012/10/19 金曜日