現在位置: HOME > ニュース&コラム > ビジネス・産業 > 製造全般


環境悪化が災害リスク対応能力低下の大きな要因

【ブリュッセル2012年10月12日】環境悪化は世界の多くの国で災害リスクに対応する社会の能力を低下させる大きな要因である。ドイツ開発作業アライアンス(German Alliance for Development Works、以下アライアンス)、国連大学環境・人間安全保障研究所(UNU-EHS)、ネーチャー・コンサーバンシー(Nature Conservancy)が12日、ベルギーのブリュッセルで発表したワイルド・リスク・リポート2012の中心メッセージはこれである。

同リポートは自然災害のリスクとソリューションを検討している。2002年から2011年までの10年間の記録は警告を発している。4130回の災害、100万人以上の死者、少なくとも1兆1950億ドルの経済的損失である。

UNU-EHSがアライアンスと協力して開発した同リポートのWorldRiskIndexは173カ国の自然災害の結果として犠牲になるリスクを判定している。太平洋の島国のバヌアツとトンガは最大の災害リスクがある。マルタとカタールはリスクが最低である。日本は16番目であり、従ってすべてのリスク・カテゴリー中で最高である。

ネーチャー・コンサーバンシーのマイケル・ベック主任海洋科学者は「このリポートは嵐、土砂崩れ、洪水による沿岸の災害からの人々と財産に対するリスクを減らすために自然災害が果たせる強力な役割を示している。サンゴ礁、オイスターリーフ、マングローブは柔軟でコスト効率がよく、持続可能な第一線の防御を提供する」と語っている。

リポートの共同執筆者であるコンサーバンシーのベック博士とクリスティン・シェパード博士は、サンゴ礁のおかげだけで2億人がリスク低下の恩恵を受けられることを発見した。サンゴ礁は波のエネルギーを85%以上削減することができるのである。

日本はリスクはあるがリーフのおかげでリスク低下の恩恵を受けられる人(海抜10メートル以下でサンゴ礁から50キロ以内に住んでいる人)の数が多い国であるため、22位にランクされている。トップはインドネシアとインド(いずれも3500万人以上)で、以下フィリピン(2000万人以上)、中国(1500万人以上)、ブラジル、ベトナム、米国(すべて700万人以上)と続いている。

このリポートは国連の災害削減デーである10月13日の直前に発表された。

注:リポート全文、地図、イラスト、ファクトシートは以下で入手できる。
http://www.nature.org/ourinitiatives/habitats/oceanscoasts/howwework/2012-world-risk-report.xml

ネーチャー・コンサーバンシーは自然と人間にとって生態学的に重要な土地と水を守るために世界中で活動している有力な自然保護団体である。ウェブサイトはhttp://www.nature.org。


関連記事

powered by weblio


前後の記事



記事バックナンバー

購読のご案内

取材依頼・プレスリリース

注目のニュース
最新の産業ニュース
写真ニュース

最新の写真30件を表示する