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小池安雲の色の魅力

第120章

 2021年も、あとわずかになりました。「年々、時間が早く経つように感じる」という諸先輩方の言葉を、いま実感とともに噛みしめています。ひと月どころか一年があっという間ですね。そんな風に時間が早く過ぎ去ったようにも思いつつ、出来事をひとつひとつ思い返してみると、ずっしりと心が重たくなるようなことも多々ありました。

 コロナ禍で二年目を迎えた今年は、外出自粛やリモートワークが定着し、商業施設でのキャンドル販売の仕事はなかなか厳しい状況でした。感染状況によって営業の形態が頻繁に変わり、来場されるお客様の人数も少ない。売上が立たないと生活が厳しくなりますが、売上の減少よりもさらに深刻だったのは精神面へのダメージでした。自分で制作したものが売れないと、次第に自信が失われていくのです。「もっと違うものを作った方が良かったのでは」「ニーズに応えられなかったのでは」「告知が足りなかったかな」等、反省点はいくらでも挙げられました。しかし、反省をすればするほどうまくいきません。“笑う門には福来たる”、裏を返せば“笑わなければ福は来ない”です。

しかし、ある日に救世主が現れました。「あなたの作品は素晴らしい」と、何度も褒めてくださったのです。「あなたは才能があるから、どんどんチャレンジしてね」と背中を押してもらいました。それは、単に褒められた嬉しさだけではなく、私を信じてくださっているという心強さがありました。

 信頼の色はグリーン。グリーンは、イエローとブルーの混色です。イエローは自信の色、ブルーは伝達の色です。人の想いが心に届くと、それが自信につながります。言葉と自信が融合すると、グリーンの信頼と安心が生まれます。信じていただいているという嬉しさはやがて、自分自身への信頼につながっていきました。

 不思議なもので、いったん自信と信頼を取り戻すと、お褒めの言葉が次々と聞こえるようになりました。落ち込んだときはネガティブなことばかり拾いますが、気持ちが上向けば良い言葉が届きます。おかげさまで、元気いっぱいで年を越せそうです。今後は、私自身が受け取ったのと同じように、周りにも信頼の言葉をかけていきたいなと感じました。

 ここでいつものワンポイントアドバイス。グリーンは信頼を深める色ですが、使いすぎると安心しきって新たな人間関係の構築が面倒になってしまいます。出不精にならないよう、使いすぎにはご注意あれ!

2021年12月17日付・第2565号紙面より


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