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藝祥が『ウィリアム・モリスの100デザイン』を刊行

ニュースリリース|ウィリアム・モリスの100デザイン|

 株式会社藝祥(本社所在地:東京都江東区、代表取締役:森一峯/千代田絨毯株式会社
出版部)は、2008年4月30日に『ウィリアム・モリスの100デザイン』(三田村有純監修)を刊行する。

 この書籍は、英国を代表する藝術家、デザイナー、詩人であるウィリアム・モリス(
1834~1896)の、日本でも人気を保ち続けている既存のデザイン(ステンドグラス、壁紙、テキスタイル、絨毯)を年代順に網羅したものである。

 モリス・マーシャル・フォークナー商会を設立した1860年代初めから、モリスの亡くなった1896年(助手のヘンリー・ダールの作品)までの数多い作品の中から、約150年間世界中で愛され続けた代表作100点を選んだ。

 一枚一枚の図版は、当時の味わいを大切にしながら21世紀の日本の印刷技術を駆使して細部にわたるまで明晰に発色している。あるものは原画が付され、モリスの筆跡や息吹が感じられる。余白に彫師への指示などがあり資料的価値も高い。説明はエッセンスのみに抑えているが、モリスの思想が伝わってくる。

 序文には、三田村教授がウィリアム・モリスのインテリア作品のアーカイブを所有する英国のサンダーソン社を尋ね、モリスが日本の古文書を所有していたことを発見した事が書かれている。モリス資料の、日本の花鳥風月が描かれた版木本(寛政元年ー1789年 皇都書林刊 全9冊)の表紙に、明治天皇に拝謁しウィルトン織の絨毯(東京国立博物館蔵)を献上したクリストファー・ドレッサー(1834~1904)のサインを発見したのだ。日本からドレッサーを経てモリスに渡った美意識は、19世紀末に日常生活の総合的藝術化を唱えたアーツ&クラフツ運動の一端を担ったのである。アール・ヌーヴォーの根源に流れる美は日本に深く影響されていたことが、改めて実証されている。

 モリスは世界第一級の装飾美術館であるヴィクトリア&アルバート美術館において、ペルシア絨毯の鑑定を全て行っている。さらにそれに触発されてモリス自ら手織り絨毯も制作した。本書にもその記念すべき絨毯の数々が掲載されている。

 この一冊をひもとくと、19世紀から時空を超えて21世紀の我々が深い影響を受けているのが実感できる。それは一点一点の作品そのものが、生命あるものの美の心髄を伝えているからに違いない。

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