動物,サプリメントのニュースリリース

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サントリー、グルコサミンなどのサプリメントが犬の関節症改善を確認

ニュースリリース|動物,サプリメント|

　サントリー（株）健康科学センター（大阪府三島郡島本町、平島隆行所長）は、北海道大学大学院獣医学研究科（北海道札幌市、奥村正裕准教授）との共同研究により、関節症を発症した犬の症状が、グルコサミン塩酸塩、コンドロイチン硫酸（サメ軟骨粉末）、ケルセチン配糖体※１含有のサプリメントを摂取する事で改善される事を明らかにしました。その研究成果を第７回「動物のサプリメント研究会」（２００８年２月３日、東京都）で発表しました。

　発表骨子は以下の通りです。

　▽発表演題　「関節症発症犬に対するグルコサミン・コンドロイチン硫酸配合剤経口投与の臨床学的効果」
　▽発表者　サントリー（株）健康食品開発設計部　佐々木　裕昭　ほか

＜研究の背景＞
　近年、ペットに対する医療の進歩により高齢化が急速に進んでおり、関節症を発症する犬の頭数も増加傾向にあります。今回、関節症を発症した犬にグルコサミン塩酸塩、コンドロイチン硫酸（サメ軟骨粉末）、ケルセチン配糖体を含むサプリメントを経口投与し、その症状の改善が行われるかについて検証しました。

＜試験方法＞
　変形性関節症または炎症性関節症で受診した犬５０例に試験タブレット（１日当たり２～６粒※２）を３０日間投与し、試験タブレット投与前と投与後の症状を獣医師および飼い主が観察し、評価※３を行いました。

＜結果＞
　変形性関節症３３例、炎症性関節症１７例の計５０例について評価した結果、特に変形性関節症について顕著な改善効果が見られました。

　獣医師の評価においては、関節症に関連したほぼ全ての項目で改善がみられ、特に「足を引きずる度合い」および「痛がり方の程度」で顕著な改善がみられました。また、飼い主の評価においても、ほぼ全ての項目で改善がみられ、特に「運動の軽快さ」で顕著な改善がみられました。

　炎症性関節症においても、変形性関節症と同様の項目で、わずかながら症状の改善が認められました。なお、今回の試験において、特に目立った副作用は観察されませんでした。

＜考察＞
　関節症を発生した動物に対しては、痛み止めなどの治療薬を継続的に投与する事が必要とされていますが、今回の実験から、サプリメントの継続投与によっても、足を引きずる症状や痛がり方の程度などが改善する可能性が示唆されました。本研究の結果より、グルコサミン塩酸塩、コンドロイチン硫酸（サメ軟骨粉末）、ケルセチン配糖体を含むサプリメントの摂取によって、関節症に悩む動物の生活の質をより改善・向上させる事が期待されます。

　※１　マメ科の植物「エンジュ」から抽出したルチンを原料に酵素反応を行い精製した物質で、フラボノイドの一種。配糖体または遊離した形で植物などに含まれるが、特に柑橘類やそばに多く含まれる。抗炎症作用のほか、強い抗酸化活性も持つ。

　※２　体重１５ｋｇ未満の犬には２粒、１５ｋｇ以上２５ｋｇ未満の犬には４粒、２５ｋｇ以上の犬には６粒を投与。試験タブレット２粒中には、グルコサミン塩酸塩５００ｍｇ、サメ軟骨粉末１２５ｍｇ、ケルセチン配糖体１８.７５ｍｇを含有。

　※３　獣医師、飼い主が各項目について観察し、状態や程度によって点数化。獣医師の観察項目は「関節の腫れの状態」「足を引きずる度合い」「起立時における痛がり方の程度」「触診時における痛がり方の程度」「副作用」の５項目。飼い主の観察項目は「活動性」「運動の軽快さ」「食欲」「運動（散歩）後の状態」「起床時の足を引きずる度合い」の５項目。

▽「動物のサプリメント研究会」について
　動物への給与を主たる目的とする飼料サプリメントに関する研究および調査、ならびにこれについての発表、知識の交換、情報の提供等を行い、適切なサプリメントの利用法について啓発活動を行うことを目的に活動している。

　日本獣医内科学アカデミーと共催の研究会および単独での研究会を毎年開催しており、大学関係者、研究者、臨床獣医師、獣医学部学生、一般会員が参加し、基礎研究発表、臨床報告など活発な意見交換を行っている。