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自動車リコール327万台で大幅減、ねじ締結の不具合が30数件=ねじの世界

 国土交通省はこのほど,平成21年度(2009年度)のリコール届出件数及び対象台数(速報値)について発表した。これによると,同年度における自動車のリコール届出は,国産車と輸入車を合わせて届出件数は304件,対象台数は3,278,296台であった。届出件数は前年度(295件)に比べて9件の増加となったが,対象台数については前年度(5,350,599台)に比べ207万台余減少の38.7%減と大幅に低下した。300万台となったのは平成14年度(2002年度)の3,011,874台以来,8年ぶりのこと。ちなみに過去最高のリコール届出は平成16年度(2004年度)の7,565,924台,届出件数でも最高の438件であった。

 平成21年度の国産車と輸入車別のリコール届出は,国産車が届出件数212件(前年度204件)で8件の増,対象台数2,989,986台(同5,073,467台)で41.1%減と大幅な減少。輸入車は届出件数92件(前年度91件)で1件の増,対象台数288,310台(同277,132台)で4.0%増となっている。

 また,同時に発表した特定後付装置(タイヤまたはチャイルドシート。速報値)のリコール届出件数及び対象装置数については,平成21年度は件数と対象装置ともに前年度に続いてゼロであった。ちなみに平成19年度には届出件数3件で,対象となった装置数は123,428装置(すべて国産装置)をかぞえていた。

 同年度の自動車リコール届出の不具合部位は,かじ取装置,動力伝達装置,緩衝装置,ブレーキ装置,制動装置,操縦装置,原動機,燃料装置,走行装置電気装置,などさまざまな部位にわたっており,それぞれ不具合の部位(部品)を明示し,改善措置の内容を示しているが,ボルト・ナット等のねじ締結に関する不具合のリコール届出についても30数件をかぞえている。

 その内容は,締結ボルトの締付け不足,固定用ナット部へのロック剤塗布が不適切,締付けトルクが不足,固定用ナットの加工が不適切,ボルトの締付け方法が不適切,取付けボルトの締付けトルク設定値が不適切,正規品のナットでない異品のナットが取付けられている可能性がある,固定ボルトが緩むおそれがある,ボルトの設計が不適切,ボルトの熱処理が不適切,ボルトの締付けトルクが規定トルクを下回るものがある,などの不具合にわたっている。ボルトそのものの不具合によるものよりも,締付け管理や被締結部側における問題でのリコールが少なくない。

【2010年5月号】

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