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日本ねじ研究協会 有限要素法を中心にねじの構造解析など技術講習

 【ねじ・ネジ・業界紙】 日本ねじ研究協会は6月7日に開催した第42回定時総会終了後、恒例となっている技術講演会を開催した。
 今回は信州大学名誉教授の田中道彦氏により「構造解析によるねじ締結体について」と題し、有限要素法を中心にねじの構造解析について述べた。

 また、日本ねじ研究協会は同会出版委員会の編集による田中道彦氏・著「構造解析によるねじ締結体について」の著書(B5判61頁)を講演会に合わせて当日配布した。

 この著書のまえがきの中で田中氏は「螺旋の複雑さや取扱いの難しさは複素関数論でのリーマン面として表れる。初等数学での複素平面はガウス平面として現れるが、リーマン面とは、このガウス平面を一般に拡張したものと等価である。複素対数などを表すリーマン面は螺旋の形をしており、数学的には多価となっているほか、螺旋の中心線が特異な線(連続な特異点)となっている。この螺旋の中心線の特異性が、ねじ面を有限要素法分割する際にも問題となるのである。通常の感覚で螺旋ねじの外側から分割を始めると、中心に向って進める分割が整合できなくなってくる。複素数は自然現象の不思議さの解明に、一役も二役も果たしている(略)」と述べている。

 当日はこういった点を前提に約一時間半ほど講演した。


第2188号5面

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