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ユニオン精密 難加工に挑戦して企業の総合力高める…雨森新社長
【ねじ・ネジ・業界紙】 (株)ユニオン精密(本社神奈川県愛甲郡愛川町中津6940)の新社長に就任した雨森和彦氏を訪ね、ユニオン精密が目指す方向などについて語って頂いた。
Q、まず略歴をお願いします。
A、名古屋大学工学部を卒業して富士通へ入社。コンピュータ製造をはじめ研究開発製造部門に携わり、海外工場勤務も経験しました。定年退社後に縁あって05年、ユニオン精密へ入社。製造部長、工場長、取締役、常務を経てこのたび代表取締役社長に就任しました。
Q、現在の生産拠点の状況は…。
A、本社工場では試作と小ロット品を担当。鹿児島工場は量産ライン。中国の友栄精密は一般的なねじ製品を現地日系企業等へ供給。友好精密ではクリーンルームで洗浄まで行う精密ねじ等もつくっています。
Q、それぞれの工場が立地条件に応じて役割分担を明確にしているわけですね。
A、国内工場では加工の難しいもの即ち日本の高度な技術を生かしたものを作り、海外工場ではコスト競争力の強いものを作るという形になっています。しかし、国内と海外の需要構造の違いは、しだいに縮小してきていますからこのままでいいとは思っていません。
海外市場では現地調達が進み、円高という重い要因も抱えています。現地ねじ企業の品質も良くなって日系企業で使えるものが増えている。この動きは今後ますます進行しますから、その対策として当社も商域を広げていかなければ…。
当社はマイクロサイズに特化した企業というイメージがあるけれど、中国工場ではφ3ミリ~φ5ミリまで広げることも考えています。また、リスク分散のために将来は中国以外での生産も考えなければと思っています。
Q、国内ではどのような方向を目指しますか。
A、今まで圧造での成形は不可能・困難とあきらめていたものにチャレンジしています。たとえば切削加工している異形部品を塑性加工でやろうと、そういう取り組みを始めました。材質の面では、チタンやマグネシウムなど塑性加工が難しいものに挑戦します。各種工業製品は軽量化等を指向して新素材の採用を進めており、部材と同じ材質のねじが求められている。そういうニーズがあるのだから、その要求に応えることによって商域を拡大したい。当社は自社用の専用機械をつくるための機械工場を社内に持っていますので、新しい製品を加工できる機械の開発も進めています。
これら諸々の施策を実施して、グループ全体の総合力を高めて行きたいと考えています。
(昭和22年12月生まれ。愛知県名古屋市出身)
第2181号2面
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- ユニオン精密 難加工に挑戦して企業の総合力高める…雨森新社長 -- 2011/04/27 水曜日