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日本貿易振興機構 インドのねじ市場その3
【ねじ・ネジ・業界紙】 インドの締め具(工業用)には、ねじ、ボルト、ナット、コーチスクリュー、ねじフック、リベット、コッター、コッターピン、ワッシャー及びこれらに類する鉄製又は鋼鉄製の製品があり、その市場規模は2008‐2009年期の推定でおよそ一九六億四千万ルピーとなっている。
締め具総需要の70%を占める最大の消費先は自動車業界である。残り30%の内訳は、建設、工業、耐久消費財及びその他の業界である。
締め具は、高張力製品から軟鋼製締め具に至るまで、その張力に応じて広範に分類を行うことが可能である。高張力締め具と特殊締め具を除く、あらゆる種類の締め具の製造は小規模企業(SSI)がこれを担っている。
軟鋼製締め具を製造しているのは、主として非組織部門であるのに対し、高度な技術を要する高張力締め具については、組織部門に属する企業が製造しているケースが圧倒的に多い。
締め具市場の70%近くは組織部門により支配されており、残り30%を占めるのが非組織部門と輸入という形になっている。
ブランドや品質が重視されず、価格がその主要な選択要因となっている、木ねじ、ワッシャー、ナット、そしてボルトといった汎用締め具の場合、非組織部門による製品が使用されるケースが多い。一方で、高張力締め具は、工業、建設、及び耐久消費財製造に使用されている。
自動車や二輪車のメーカーの中には、自社内に専属の締め具製造メーカーを抱えているところもある。例えば、Sundram FastenersはTVSの、Fastener WorldはHeroグループの、そしてTacoはTata Motorsの関連会社である。こうした企業はグループ内で締め具需要を賄って、その品質面における要求事項を管理しているのである。
締め具の輸出も急増しており、その主要な需要先は米国、日本、そして欧州である。但し、輸出に関していうと、インドの締め具は、素材コストの高騰、低い労働生産性、そして標準化の遅れにより、それほど競争力が高いものとはなっていない。ここで圧倒的な価格競争力を確保しているのは、CHQ鋼を安価で調達でき、製品範囲を絞り込んでいる台湾である。インドのねじ市場への参加者は
、およそ30社から35社にのぼる組織部門企業、そしてその経営規模は様々であるが、主として小規模企業(SSI)から成る、200社を超える非組織部門企業である。これに加えて、多数の輸入業者、卸売業者、そして販売業者が市場参加者となっている。
第2153号5面
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- 日本貿易振興機構 インドのねじ市場その3 -- 2010/07/18 日曜日