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日本貿易振興機構 インドのねじ市場その2
【ねじ・ネジ・業界紙】 ねじの業界についてみるとサンドラムファスナーは締め具の業界大手の1社で、その市場シェアは15%に達している。他の大手としてはアポロエンジニアーズ、GKW、ラクシミプレジションスクリュー、プレジションインダストリアルファスナー、アツルファスナー、スワテイクファスナーなど大手は10社ほど。
ねじの素材価格は近年上昇している。世界的な金融危機により、2008年度の鉄鋼価格は大きな影響を被った。その結果、ねじの価格は依然として高い水準に留っている。
インドのねじ産業は、標準化の遅れ、高い在庫負担、安価でない技術(生産性等)、そして締め具の輸出に向けたEU指令の順守といった多くの問題に直面している。
輸出見通しは良好ではあるものの、素材価格の高騰、適切な標準の欠如、そして低い生産性がその足かせとなっているのである。但し、Apollo EngineersやSundram Fastenersといった企業は強気である。当業界には輸出が伸びるという展望が開けている。締め具産業への参入には認可が不要であり、海外直接投資にかかる全面的な適格性は自動的に付与されている。締め具産業は軽工業部門に分類されているため、工業生産者が政府から受領できるあらゆるメリットを享受することができる。産業の輸出基盤を多様化し再構築するという観点から、商工省の権限に基づき、1955年にはEEPC(工業製品輸出振興会)がインド政府により設立されている。現在では、EEPCはインド最大の輸出振興団体となっている。その構成員の60%は中小企業(SME)である。
大幅な需要増加分は、現状は輸入によって賄われている。張力の低い炭素鋼ねじの生産の大半は小規模企業(SSI)により行われており、一部の大メーカーだけが高張力のねじを生産している。多くの要因によりこれ以上の生産拡大は困難であるが、ユーザー業界からの要望により、高張力ねじの生産には成長性が見込まれている。調査から明らかになったこととして、輸出が大きく伸びることはない一方で、巨額の設備投資を要する技術集約度の高い製品に対する需要が伸びることは間違いなく、この点で現状よりも多くの国内生産が求められていくことになるだろう。
第2153号5面
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- 日本貿易振興機構 インドのねじ市場その2 -- 2010/07/17 土曜日