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阪村機械製作所 阪村会長論文「ねじ製造技術の進歩」

 【ねじ・ネジ・業界紙】 ねじ生産の代表的な工法は圧造・転造加工であり、市場及びユーザーが求める高度な精度・品質等への対応を実現している。また、国際競争化の下におけるニーズ多様化の動きは、あらゆる分野で締結・構成部品に使用されるねじも例外ではなく、形状の複雑化に加えて多品種・微量への対応が圧造加工においても求められている。

 圧造分野をはじめ周辺領域において“常に新技術”を展開する(株)阪村機械製作所(京都府久世郡)の阪村芳一会長が、ねじの理論構造から生産機械の開発までの解説を纏めた論文「ねじ製造技術の進歩」から一部を紹介する。

 【はじめに】
 “ねじ”の原点は何かというと、実は水素原子「H」ハイドロゲンで原子番号No.1の元素です。水素原子は陽子・中性子・電子で出来ています。ボルト・座金・ナットと同じ構成です。原子が結合して分子となり、自己複製機能をもったDNAで人間の体を含め、すべてつながっています。
 百五十億年も前に宇宙がビッグバンで大爆発し、爆発物の引力で、飛び散らずに大宇宙に放射線状に拡がり、スパイラル状に銀河系が形成され、そのひとつに太陽系が出現、他の星とともに地球もクルクルとねじの様に太陽の回りを回る軌道をつくりました。決して神の意思でなく、理論でこういう宇宙の状況が出来てきた訳です。何十億年も前に、宇宙からの賜物としての隕石が当社に飾ってあります。
 “ねじ”はビッグバン以来の爆発のスパイラルの渦巻が原点となっている。
 フランスでは、自然界に発生した渦巻状植物「ツタ」を「ビス」と発音して“ねじ”を表しています。赤ちゃんからだんだん大人に成長してくると声や顔が親に似てくる。それと同様でいくら嫌だといっても、遺伝子の法則で、七十兆の遺伝子が体中に活動し、顔や形ができる様に私達人間は、自分の力で生きているのではない。御先祖様のDNA力でいかされているのです。

 【ねじの歴史】
 「ねじ」は紀元前より機械要素として人類に貢献していました。紀元前287~212年にアルキメデスは「ねじ」揚水機を発明し、水車を用いて水の汲み上げに成功しています。1450年には、ヨハネス・グーデンベルグが「ねじ」を用いて活版印刷機を発明し、神は教会にいるのではなく、「皆さんの心の中にある」と聖書を印刷物にして宗教革命を引き起こし、お「文み」の力を示した。
 しかし、大きく全世界に普及したのは、鉄砲の発明による“尾栓のねじ”でありました。日本では1543年に種子島に漂着した“ポルトガルの鉄砲”が最初であり、堺にて尾栓ねじの量産が始りました。
 1851年ねじ転造機が英国で発明され、1928年昭和天皇の即位式で眞島安太郎氏が天皇に供している等、色々な人たちの努力によりねじは今日の発展をむかえているのであります。


第2145号5面

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