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丸ヱム製作所 金属ガラス締結ねじの試作開発に成功

 【ねじ・ネジ・業界紙】 (株)丸ヱム製作所(大東本社=大阪府大東市野崎。松元収社長)ではこのほど、国立大学法人東北大学金属材料研究所大阪センターとの共同研究によって進めてきたジルコニウム基金属ガラスを用いた金属ガラス締結ねじ(JIS六角穴付きボルトM3径)の試作開発に成功。

 超強度・超高降伏強度・超高弾性に加えて高耐食性、高疲労強度を備える今までにない新しい締結ねじが誕生したほか、同素材の性質から難しいとされてきた塑性加工による工法及びねじ製品の成形技術を実現した。

 開発された金属ガラス締結ねじの特徴性能は、約1600MPaで高抗張力ボルト(ハイテンボルト)に比べて約1.3倍の超強度、高抗張力ボルトより約1.4倍の超高降伏強度、スチールボルト比で約4倍の弾性伸びを有する超高弾性に加え、高耐食性、高疲労強度を備える今までにない新しい締結ねじ。

 ねじとしての締結特性をみると、(1)大きな締付力(2)被締結部材が軸方向に変形しても軸力の低下は少ない(3)低ヤング率と大きな弾性ひずみは、座面及び噛み合い面の真実接触面積を増大させて摩擦力を大きくする―など。
 そのため、ゆるみ難いねじ締結が得られ、特に強度の低い軽量金属材料のアルミニウム、チタン、セラミックス、樹脂など幅広く適用できる。様々な特徴を持つ金属ガラスを選択することにより、用途別に応じた特徴のあるねじの製品化が可能。

 同社では、本格的な製品化は2012年の販売を目指し、各種金属ガラスを用いた金属ガラスねじの製作評価と、量産工程を更に高度化した信頼性向上とコストダウンを推進する。
 また、現在計画中である医療関係への事業展開に同開発ねじの応用展開も視野にしているほか、世界最小ねじの製作や締結部材以外の製品化への挑戦も掲げる。


第2141号1面

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