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中国の鉄鋼需給の現状と今後の展望
【ねじ・ネジ・業界紙】 日本鉄鋼連盟輸出市場調査委員会がまとめた「中国の鉄鋼需給の現状と今後の展望」によると、国内需要のピークは10年~12年頃に迎えるとの見方を複数の関係者がしていると報告。しかし、鉄道や高速道路網等の中長期的インフラ整備計画及び製造業の需要増等をみると、ピーク後に鉄鋼需要が急減する可能性は小さく、高位安定的に推移するものとみている。
中国の鉄鋼需給は、06年に粗鋼生産が月間3千万トンを恒常的に上回り、4千万トンを目指す勢いで続伸して、鋼材輸出が輸入を上回る状況が常態化した。後半には、輸出増値税還付率の引き下げと鋼塊・半製品等への輸出税賦課といった輸出抑制策を打ち出したが、06年通年では世界最大の鉄鋼輸出国となった。
07年は、その傾向が更に強まり、3月以降、8ヶ月連続で4千万トン超の生産が続いて鋼材輸出は勢いを増し、政府は数次に亘って輸出抑制策を強化した。実施前の駆け込み輸出等から4月には716万トンまで激増したものの、その後は減少傾向と辿って11月時点で月間410万トンの高水準ながらも落ち着きを取り戻している。一方の生産は、11月の粗鋼が3,969万トンで9ヶ月ぶりに4千万トン台を下回ったが、鋼材は前年同月比12.7%増の4,768万トンの二桁増を続けている。
この状況下、国内市場への鋼材供給圧力は高まっているが、国内市況・在庫に変調の兆しはみられない。国内需要の懐は相当深いとみられるものの、受注統計等需要サイドの動向を反映した統計は整備されていないため、実態がみえにくいのが現状。旺盛な需要の中心は5億人の人口を抱える沿海部とみられるが、同地域1人当たりの見掛消費量は5百~6百kgと既に先進国並みの水準に達しているものともいわれ、同地域における需要の伸びは徐々に鈍化すると推測される。一方、現在は鉄鋼需要が低位の内陸部をみると、8億人の人口を擁する地域であることから今後の都市化の進展、生活環境・ライフスタイルの変化等に伴い、相当程度の鋼材需給が顕在化してくると想定される。
第2074号5面
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- 中国の鉄鋼需給の現状と今後の展望 -- 2008/04/29 火曜日