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概要

ねじ関連辞典

構造用合金鋼(alloy steel for structuraluse)歯車、車軸、ピンなど各種の応力構造部材として炭素鋼に代って使用できる強靱な合金鋼。ハィテンションボルトもこれらで作られる。SC鋼、SNC鋼、SMCM鋼、SCr鋼、SCM鋼、SACM鋼などある。ステンレス鋼すてんれすこう(stainless steel)不銹鋼ともいわれFe-CrまたはFe-Cr-Niの合金鋼で10%以上のCrを含み、Feの含有量は50%以止と規定されているが、普通には耐熱、耐食性の点からCr10%以上のものをステンレス鋼という。JIS規格では19種類が定められ棒、板、帯、線材、線等形状別に製作される。製法は電気炉による鋼塊を熱間圧延または鍛造のまま、或いはさらに冷間引抜、研削、切削またはこれらの組合せにより製造される。ステンレス鋼線(stainless steel wires) NASはステンレス鋼線材メーカー、日本冶金工業(株)の社内規格である。NAS-10、NAS-10M等の記号がある。NAS-10(18Cr-10Niステンレス鋼)はSUS-27の加工性を改良して、ヘッディングや深絞り等の加工に好適である。NAS-10M(12Cr-15Niステンレス鋼)は、更に加工硬化性を緩和し、その加工性はNAS-10と18-8ステンレス鋼の中間に位し種々の形状のネジに容易に成形できる。JIS記号ではSUS 27Wである。18-8ステンレス鋼(SUS-27)18%のCrに8%のNiを添加することにより、オーステナイト組織となりCr系ステンレス鋼よりはるかに優れた耐食性と物理的性質を持っており、高温、強度にも優れている。展延性に富み強靭なので成型加工性に優れているが、加工硬化性が大きいので、加工度が限界を越える場合には中間焼鈍を必要とする。冷間加工により磁性を帯びることもある。18クロムステンレス鋼(SUS-24)低C、高Cr鋼で、焼きなまし状態でフェライト組織を示し焼き入れによって硬化しない。耐食性においては、SUS-27よりも劣る。軟らかく展延性に富み加工硬化の程度も少ないので高度の成型加工が容易である。13クロムステンレス鋼(SUS-21、SUS-23)耐食鋼である。焼きなまし状態ではフェライトとカーバイトの混在組織で、硬さは低く、靱性に富むので深絞り、ヘッダその他の成型加工も比較的容易であるが、焼き入れすればフェライトとマルテンサイトの混在組織となって硬化する。耐食性においては劣る。青銅(bronze)銅と錫の合金で通常の青銅は銅中に、錫4~10%を含みαまたはα+δ固溶体である。鋳造性をよきうするために亜鉛、鉛を加えることもある。線材(wire rods)普通軟鋼線材は線材の標準径5~19mmの丸線材でコイル状に巻いた第一次製品である。1巻の重量は700kg程度までである。最近ではヘッダの大型化と共に線材も25mm程度のものが製造されている。耐熱鋼(heat resistant steel)この鋼は空気、ガス等の零囲気中で高温に熱せられても浸食されにくく、かつ強度が弱まらない事を特徴とする鋼で、Si、Cr、Ni等を主な添加元素とし、これに強度上の意味から、W、Mo等を加味したものである。フェライト系とオーステナイト系とがあり、前者は850℃、後者は1150℃付近までの温度に耐え得る。JIS G 4302.ダイカスト(die casting)溶融金属に圧力を加えて金型に圧入する鋳造方法をダイカスト鋳造といい、このようにしてできた鋳物をダイカストという、薄肉物ができる。寸法精度が高く、多量生産的であるなどの特徴がある。Al(アルミニウム)、Zn、Cu、Mg合金がよく用いられる。鉄線(iron wire)JISG3532.ネジ用の鉄線は、線材を常温にて伸線機で伸線し、所定の寸法に仕上げたもので、丸、六角の形状でコイル状に巻いてある。最近までは最大径19mm程度であったが、今日では22mm径以上の鉄線も伸線されている。普通鉄線(SWM-B)は軟鋼線材3種、4種を常温で伸線したもの。ナマシ鉄線(SWM-A)は普通鉄線を熱処理したものである。炭素鋼(carbon steel)炭素を唯一の含有元素とする鋼で普通鋼ともいう。純鉄は炭素を最大0.035%まで固溶し1.7%以上は共晶組織が生じるので鋳鉄の範囲に入る。すなわち炭素鋼とは炭素0・035%~1.7%までの鉄のことである。