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概要

ねじ関連辞典

リムド鋼とキルド鋼りむどこう・きるどこう(rimmed steel・killed steel)炭素鋼にはその製造法によって,リムド鋼とキルド鋼の区別がある。リムド鋼は溶解にあたって主としてマンガンで脱酸し,けい素で強制脱酸を行わない。造塊は下つぎ法によるものが多く鋼塊は表面に近い部分は炭素量および不純物がきわめて少く,その内側に気孔の散在した組織をなしている.これを圧延すると表面キズの発生が少く,また内部の気孔も接着して,板,棒,管などとして表面のきれいなものが製造材料・加工および試験される。けい素の含有量は普通0.1%以下で展性が良好で溶接性もない。したがってボイラー用鋼板,鋼管,塑性加工川薄板,船休用鋼板,一般構造用圧延鋼材,形鋼などとして使用される。しかし内部の不純物が偏析しやすく,ゴーストを生じガスを含むため,内部圧延キズを発生しやすく浸炭を施した場合に異常組織が出やすい.また時効硬化を起しやすく,高温脆性を示し切欠キ衝撃値に対する遷移温度が高い.また鍛造するときは過熱に敏感で鍛造割レを発生しやすい.したがって重要な部品にはキルド鋼を使用するほうがよい。キルド鋼はけい素あるいはアルミニウムによって強制脱酸し,造塊は上つぎ法によることが多い.鋼塊の頭部に凝固収縮孔を生じてこの部分に不純物が集まり内部は気孔,不純物などの欠陥が少なく,成分の偏析も少ない良質なものとなる..頭部は鍛造,圧延に際して切捨て健全な部分のみを使用するから製品は材質的リムド鋼より均一で健全である.けい素の含有量によってリムド鋼と区別することができる。機械構造用として重要な部材に使用する圧延,鍛造品などはキルド鋼によることが普通である。錬鉄れんてつ(wrought iron)錬鉄とは0.~0.1%Cを含む鉄で,銑鉄を木炭または石炭を燃料とする反射炉で半溶解状態で,Cを酸化除去し,のり状でとり出し鍛錬して製造したものである。スラッグなどの不純物は多量に残存するが,鍛接性はすぐれている。日本刀,庖丁鉄などはこれに属するもので現在では全く製造されていないが,明治年間に敷設された橋梁材などは錬鉄製のものでその製品はまだ多数存在している。