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概要

ねじ関連辞典

軸受鋼(bearing steel)球軸受およびコロ軸受の球、コロ、レースに使う鋼で疲労、摩耗、靱性の優れていることが望まれる。C1%、Cr1%を標準成分として小型用に適し、中型にはCrを、大型用にはMnを増して焼入れ性や強度への考慮を払っている。炭素工具鋼(carbon tool steel) JIS G 4401記号SK.各種の工具に使用するため高炭素鋼の中から構造用鋼の上限に連なるものを選んだものであって炭素鋼中最も硬いものである。JISでは、電気炉または酸性平炉によるキルド鋼から製造され、SK1~SK7の種類がある。炭素工具鋼は焼入れかたさがきわめて大であるが、硬化深度が浅く(3mm以下)かつ焼きが戻りやすいので工具としての耐久性に乏しい欠点がある。しかし焼きが深くはいらないことは、かえって工具に粘り強さを与えることになり衝撃を受ける工具に使用して好効果をあげる場合が多い。したがって主として木工用、軽合金、黄銅、軟鋼などの軟質金属向きである。鍛造用型鋼(die steel for forging)強力な鎚打、高温材との接触、大形品の必要等の条件にもとづいて、C量が低目で合金元素が高目の合金工具鋼が当てられる。できるだけ樹脂状晶の少ない方向性のないものでないと割れる恐れがある。鍛造用合金鋼(alloy steel for forging)鍛造によって機械部品とする自由鍛造、型鍛造、搾出用等のものでJISではハダ焼用を除いたすべての合金鋼がこれに該当する。可鍛性の良いことと所望の機械的性質を具えていることが条件である。窒化鋼(nitriding steel)浸炭の代わりに窒化硬化層を得るために都合の良い鋼でAl、Cr、Moを主成分としている。窒化のため約500℃に長時間保持する関係上、焼き戻し脆性に対する考慮が払われる。高温硬度が高い点が特長で、高温耐摩耗用部品に賞用される。窒化の方法は焼入れ、焼き戻しを施したのち研磨シロを残した程度に機械加工仕上げを行い電気抵抗炉の中にあらかじめ設けられた密封管内挿入しアンモニアガスを通しつつ490~500℃まで加熱する。アンモニアガスはこの温度で分解して発生機窒素を生じ、これが鋼の表面に窒化層を生ぜしめる。用途としては、耐摩耗部分たとえばシリンダ内面、ゲージ類、歯車、線引ダイス、冷間圧延ロール、座金等。中空鋼(hollow steel)JIS G4410記号SKC.削岩機の先につけて岩石を穿孔するための鋼で、タガネ用には炭素鋼、ロッド用には強靭鋼、両用には軸受鋼系のものが使われる。SKC1、SKC2、SKC11、SKC21の4種類ある。