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「ワインの飲み方(続き)」

 前回は、ワインと食べ物を一緒に口に入れないことや、赤ワインや白ワインが美味しく感じる温度について書いたが、皆さんはスパークリングワインも飲まれるだろうか!?

 スパークリングワインが一番美味しく感じる温度は、白ワインよりも更に「冷え冷え」な温度である。すなわち冷えていれば冷えているほどいいのだ。実はこれが大事で、様々な会の乾杯に使われる時、スパークリングワインがぬるいのは気合いが入らない。

 では実際にどうやって冷やすかというと、我々プロでも氷バケツだけの冷やし方には限界がある。即興的な冷やし方では実は冷えきらないのだ。一説には氷バケツから首を出しているワインボトルの上の部分まで冷えないと完全に冷えきらない。だからバーベキューやアウトドアの際はもっと容量の大きな容器を使用すると思うので、一時間程氷水の容器の底に沈めておくのが簡単だ。最初の乾杯はビールで行い、会の中盤あたりでワインに切り替えるタイミングでスパークリングワインの乾杯を行うなら冷えも間に合いそうだ。自分などは昔格好つけてスキー場にもスパークリングワインを持参していた。コースの脇の雪の中に埋めておくのだ。朝仕込んでおいたスパークリングワインは昼には冷え冷えで、眺めの良い場所で仲間同士乾杯するのも楽しい。これには失敗もあり、埋めた場所の目印が、その後吹雪いたりするとわからなくなってしまい大変な苦労をする事。探せない時も何回かあり、幾つかの年は春が来て雪が溶けると自分のワインが顔を出したと思う。何回か学んで途中からは樹木を決めてその下に埋めるようにした。

 屋内の場合やはり一番いいのは、冷蔵庫の一番温度の低そうなところで時間をかけて冷やす事だ。これならボトル全体から冷やす事が出来る。特に冷蔵庫内の静かで出し入れの少ないところで4~6時間は冷やして欲しい。間違っても扉のポケットに差し込むのは禁物。冷蔵庫の扉の開け閉めの度に温度が上がるし、扉の開け閉めの揺れが静かに溶け込んでいるスパークリングワインの炭酸ガスを荒立てて飲み心地が悪くなるからだ。

次回はワインと食べ物の相性についての事を書く予定。





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