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社説 波紋

内閣府が発表した4月の月例経済報告では…

 過日、内閣府が発表した4月の月例経済報告では、景気は、急速な悪化が続いており厳しい状況にある―としながらも「当面悪化が続くも、先行きについては在庫調整が進展するにつれ悪化のテンポは緩やかになっていくだろう」と期待感をのぞかせている。今やトンネルの出口に近づきたい気持ちはどちら様も同じだ。

 鉱工業生産の推移をみてもどの業種も生産活動は低水準だが、企業収益をとことん歪めるまでに需要が無くなったという訳ではない。大企業や中堅企業が経営難に陥るのは経験不足による焦りである。過当競争による販売価格の低下(加えて在庫減らしに起因する投げ売りなど)は正にこの事で、企業におけるガンといえる。

 生産活動の低水準化と雇用調整は切り離し難く、一般社会の最たる不快現象といったところだ。世界的な金融危機の深刻化や世界景気の一層の下振れ懸念など、不況党の残党がまだ片付いていないだけに、おいそれと不況の刃は元のサヤに納まらない。産業界の生産活動が復活するにはもう暫く時間が掛ろう。

[2009年5月7日付け本紙2111号掲載分]


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