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小池安雲の色の魅力

第117章

 猛暑から一転、驚くほど涼しくなりましたね。衣替えをする前に気温が下がってしまい、クローゼットでは四季が入り混じっています。初夏に着付けを習ってから毎日浴衣生活をしていたのですが、外ではすっかり着られなくなってしまいました。秋冬の着付けをまだ習っていないので、クローゼットも私も宙ぶらりんの状態です。

 そんな季節の変わり目に、キャンドルの期間限定ショップのお仕事で初めて東京都立川市に通いました。立川は、新宿から電車で30分ほどの場所にある人口19万人弱の都市です。駅前には大きな商業施設が立ち並ぶものの、少し歩けば自然がいっぱいという街で、店にお越しになるお客様は地元の方がほとんどでした。私の売場は食料品と同じフロアだったため毎日通りがかる方も多く、気さくに声をかけて下さいました。ご自身の生い立ちから家庭環境、病歴から年齢まで語ってくださる方もいらして、短い立ち話とは思えないほど濃密な話も聞きました。3分ほどで人生をダイジェストで語れるとは、すごい才能ですよね。人生を語るのは年配の方々が多かったのですが、それより半分ほどの年齢の私でさえも、3分で自分の人生をわかりやすく語れるだろうか?と考えてしまいました。そのように気さくな地元の方の話によると、立川の街に住んでいたら何もかもが事足りるので、あまり他の街には出かけないとのこと。それだけ自分の街が快適であるというのは素晴らしいですね。

 ローカルさを表す色というのがあります。グリーンとインディゴ(紺)です。二色の違いは、グリーンは土地や場所そのものを指すのに対し、インディゴは価値観や文化を含むという点でしょうか。インディゴはさらに、バランスという意味合いもあります。商業も自然も住宅も豊かである街は、バランスが整っているという点でインディゴらしいと言えるかもしれません。バランスが良ければ人が集い、コミュニティができます。“土地柄”もインディゴの意味です。土地柄が人を育み、人が土地柄を育んでもいます。住んでいる環境によって自分が快適になり、幸せな人が増えてその土地に活気が生まれるというのは良い循環ですね。私も、今住んでいる土地にもっと意識を向けてみよう、と思う良いきっかけになりました。

 ここでいつものワンポイントアドバイス。インディゴは結束を強める色ですが、使いすぎるとその結束を息苦しく感じてしまう可能性も。使いすぎにはくれぐれもご注意あれ!

2021年9月17日付・第2556号紙面より


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